おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

バーチャルCSPPアンプの設計・その1

まずはじめに設計は自己流であることをお断りしておく。記事内容に間違いがあるかもしれないので、その点は御了承のほどを。

 

マッキントッシュタイプCSPPアンプを製作するにはまずOPTの入手からとなる。現在販売されているのは染谷電子のASTR-12かASTR-20/ASTR-20Sで、その中から選ぶしかない。そこでケース無しのASTR-20Sを選んだとする。

 

(2015.11.07追記)

染谷電子のオーディオコーナーでトランスの単価表が更新された。 CSPP用のASTR-12、ASTR-20、ASTR-20Sの他にASTR-08(トリファイラ)、ASTR-30S、ASTR-30Cが加わっている。ASTR-30Sはレイヤー巻き、ASTR-30Cはボビン巻きでコストダウンを図ったとのこと。

(追記ここまで)

 

出力目標は10Wに設定してみた。出力管にはたまたま手持ちの6T9を選んだとする。6T9はプレート損失12Wの五極出力管とμ=95の電圧増幅三極管が封入されたコンパクトロン管だ。五極管は最大プレート電圧が275Vなので、電源トランスには電圧が低めのPMC-190Mがマッチする。

 

6T9における五極部の特性図は見つからないが、6T10の電力増幅ユニットと特性が同じということで、特性図は6T10のものを使った。

 

画像

マッキントッシュタイプCSPPでは2管の出力を並列合成するので、ロードラインはOPTのP-P間インピーダンスそのままで引く。

 

とりあえずロードラインを引いてみた。ASTR-20Sは2次側の選択で1.25KΩ/2KΩが選べるので、2KΩの線を引いている。グリッド電圧が0Vの特性曲線の曲がるポイント(ニーポイント)を通るようにロードラインを引くと出力を有効に取り出せる。

 

この時の出力は(250-50)*0.1/2=10Wと算出される。すこし低いかな。まあいいや。

 

動作点はEb=250V、Ip=30mAとした。Pp=7.5Wで最大12Wの62.5%。PMC-190Mの220Vタップを両波整流して得られる+B電圧は220*1.25=275Vくらい。自己バイアス分とOPTのDC抵抗による電圧降下を加味し、実効プレート電圧は250V位になるだろう。

 

OPTの変圧比は√(8000/8)=31.6:1。8Ωでの出力10Wの電圧は√(8*10)=8.94V。OPTの1次側では8.94*31.6=282.5V。

 

ここで出力管の利得を1.6とする。ちなみに三極管では1.3位らしい。282.5/1.6=176.6V、差動だから半分で176.6/2=88.3V、これが出力管をフルにドライブする電圧(rms)となる。また、波高値では2.83倍して250Vp-pとなる。

 

合ってるのかな?どうもCSPPとか差動はわかりにくくて困る。