おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SV811-10Aシングルアンプ・ハムバランサに並列抵抗

以前SV811-10Aシングルアンプ・2つの実験でハムバランサにコンデンサ追加の実験を行ったが、残留ノイズが増えてしまい不採用となった。

 

今回代案を思いついたので実験することにした。それはハムバランサと並列に抵抗を入れること。

 

ハムバランサを低抵抗のものと交換するにしろ巻線ボリュームは結構な値段だし、抵抗を追加することでボリュームの接点が浮いたとしても音が出なくなることは無くなる。

 

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現状ではハムバランサがセンターでバランスしているとすると、ハムバランサのインピーダンスは50Ωの並列で25Ωとなっている。そこで右図のように22Ωを並列に入れると22Ω//50Ω÷2=7.6Ωとなる(69%減)。

 

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例えばハムバランサが60Ω:40Ωでバランスしたとすると、単にハムバランサだけでは60%:40%だが、22Ωの追加で53.1%:46.9%となる。これはボリュームが同じ角度で変化量が少ないことを意味し、より細かく調整できるというわけ。

 

反面、抵抗を追加することでフィラメント電源の電流が0.14A増え、フィラメント電圧が低下し残留リプルが増える。だからフィラメント電圧と残留ノイズを確認する必要がある。

 

実験は試作機でなく実験機で行った。最初に実験機の特性を調べ、抵抗を追加して再度特性を調べて比較した。手持ちの関係で抵抗は10Ω1Wの抵抗を2本ずつ直列に使用した。

 

抵抗を追加後、SV811-10Aのプレート電流が70mAとなるようにバイアスを再調整し、ハムバランサで残留ノイズが一番低くなるようにする。

 

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結果を上記に示す。フィラメント電圧は0.1V低下したが問題ない。残留ノイズはハムバランサが細かく調整できるようになったせいか少しだけ低下。残留リプル増加の影響は受けないようだ。利得はわずかに増え、周波数特性はわずかに良くなった。一番効果があったのはダンピングファクタで、5.3から5.7に増えた。

 

抵抗2本の追加で効果のあることがわかったので採用することにしよう。