おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SV811-10Aシングルアンプ・本番機のチューニング

画像

前回で「ほぼ」完成としたのにはわけがあって、それは穏やかな音色の印象がトリタンの真空管には合っていないと感じたからで、すこしチューニングを施してみることにした。

 

NFB抵抗と並列に入っている位相補正容量が影響していると推定。NFB量を減らし、位相補正容量が必要ないと思われるところを狙う。

 

NFB抵抗が680ΩではNFB量が7.9dBとなり、数10KHzにわずかに盛り上がりが出来た。なので位相補正容量で高域を落としていた。NFB抵抗が1KΩではNFB量が6.2dBとなり、位相補正容量は不要だった。

 

そこでNFB抵抗を820Ωとし、オシレータで高域のレベルをスイープしながらチェックしたところ、高域に盛り上がりが出来なかったので位相補正容量は不要と判断。この時のNFB量は6.9dBとなった。

 

この位相補正は本来のやり方とは違い、トランス式USBDACでのチューニング方法を参考としている。だから発振に対する余裕度がどうとかはわからない。

 

この変更後、妻に聴いてもらった。曲によっては高音が出過ぎる感じがあるものの、霧が晴れたようで繊細な音色になった。天の川の星粒が見えるよう、という感想だった。

 

すこしドンシャリな印象だが、タマの容姿と音色が合っているのではないだろうか。

 

画像

回路図を上記に示す。R10を820Ωとし、C5は入れていない。

 

画像

この状態で特性を調べてみた。NFB量が1dB減ったくらいだからあまり変化は無い。高域は位相補正容量を無くしたことで伸びた。DFは5.3から5.0になった。残留ノイズは変わらなかった。

 

画像

周波数特性。高域に盛り上がりは無い。

 

画像

歪率特性。全体にすこし持ち上がったがカーブ自体に変化は無かった。

 

位相補正容量を無くしても特性上で問題は起きなかった。意地悪な試験をしたら発振する可能性はあるものの、通常使用では大丈夫と思う。