VT-62シングルアンプの小変更を行った。それは低域のクロストークを改善するため。
回路図を上記に示す。赤枠で囲った電解コンデンサは通常のカソードバイパスから+Bに接続を変更し、信号ショートループにした。
変更後のクロストーク特性。低域のクロストークが改善されて20Hzで-59dBだったのが-67dBとなった。なお残留ノイズが増えることが予想されたが改造前後で変わらなかった。
0.1Wでの周波数特性。20Hzのレベルは-0.5dBから-0.2dBに上昇した。
続いて、ここ数日での駄耳での試聴結果。
初めて聴いた時には自分好みの音が出たので驚いた。信号ショートループに改造した後は低域が盛り上がった感じでミニワッターシングルアンプのそれに似ていた。
さらに試聴していくと、エージングの効果か耳が慣れたのかわからないが、繊細な音が入っている音源はそのように再生するし、低域から高域までバランスの取れた音が出ているように思える。
もう音質的には改善の必要性を感じない。
改めて回路の電圧を測定した。VT-62のカソード電圧が低くなるなどの問題は無かった。フィラメント電圧が7.3V程度であっても特性的には大丈夫と思われる。長時間テストしているわけではないので劣化の程度は不明。