VT-62シングルアンプのカソードバイパスコンデンサをそれぞれ3つの回路でクロストーク特性を比較してみた。
それぞれの回路を上記に示す。(1)はノーマルのカソードバイパスコンデンサの接続方法、(2)は信号ショートループで+B〜カソード間にコンデンサを追加、(3)は信号ショートループのみ。
詳細は出力段の信号ループ最短化実験に記載されているのでこちらをご参照。
それぞれの回路でL→Rのクロストーク特性を比較した。低域のクロストークはショートループが一番良く、パスコン+ショートループでは殆ど違いはない。
(2016.02.25追記)
コンデンサの耐圧の関係でパスコンのほうの容量が大きく、インピーダンスがショートループに比べて低いので、低域のクロストークがパスコンで支配的になっている可能性がある。
(追記ここまで)
高域では逆にショートループの悪化が起きている。ただ20Hz〜20KHzの可聴周波数帯域では低域の改善度合いが大きい。
カソードパスコンのみではGNDの共通インピーダンスの影響で低域のクロストーク悪化が見え、ショートループでは+Bの高域インピーダンス上昇が高域のクロストーク悪化として見えているのではないだろうか。
なお、残留ノイズはいずれの回路でも差は無く、+Bの残留リプルは低いと考えられる。
R→Lのクロストーク特性。こちらも同じ結果になった。
それぞれの回路で試聴した結果は、ショートループでは低音が充実し低域から高域までバランスが取れた感じになった。音場の表現はどの回路方式でもあまり違いはなく、私の駄耳では聞き分けられないみたい。