おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3HA5シングルアンプの妄想

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実家から持ってきた真空管が入った箱を移動中にうっかり横倒しにしてしまった。割れていないかな、と中を見てみたが大丈夫そう。その際にちっこいタマを見つけたので規格を調べてみた。

 

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2HA5はVHFチューナー用のRFアンプのタマでヒーター定格は2.2V0.6A。3HA5なら2.7V0.45A。6HA5というのもあってこっちは6.3V0.18A。6HA5のデータシートはこちら

 

最大定格はEp max=220V、Ik max=22mA、Pp max=2.6W。こんなタマなのにプレート損失は2.6Wもあるのか。

 

定格動作はEp=135V、Ip=11.5mA、Eg=-1V、rp=5KΩ、μ=72、gm=14500となっており、μが高いのにrpが低くgmが高い。ちなみに6DJ8はrp=2.64KΩ、μ=33、gm=12500。

 

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WE407A、5670Wと2HA5を並べてみた。高さは同じくらいで2HA5が7ピンで細め。チビで細いから余計小さく見える。

 

このタマを使ってメインアンプを作ろうなどと思う人間は私しかいないだろうからあえて設計してみることにする。

 

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Ep-Ip特性図に7KΩのロードラインを引いてみた。動作点でのグリッドバイアスは-1.2Vくらいで軽いA2級で振ってみる。それにしても電力増幅に使うと2次歪みが大いに発生するが気にしない。気にする人はバイアスの深い直熱管を使えば良い。

 

出力を計算してみたら250mWくらいになった。250mWのメインアンプなんてヘッドホンアンプでもない限り製作する人はいないだろう。これでもニアフィールドでスピーカーで聴く分には問題ない。

 

電圧増幅段の回路はどうしようか。これより小さなタマでμの低いものって思い浮かばないし、前段のタマのほうが大きいと主客逆転してしまう。だからタマはステレオで2本だけとし、初段はFETで考えてみる。

 

軽いA2級で使うためFET〜Trエミッタフォロアでグリッド直結とするのがシンプルかつコンパクトで良いと思う。半導体で増幅するのが嫌な人はサブミニチュア管でも使えば良い。

 

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というわけで回路図を上記に示す。電源トランスは5VAの絶縁トランスとヒータートランスの構成とした。2HA5のヒーターは2.2V0.6Aで、2本直列にしても適当なヒータートランスが見つからない。DCDCはノイズが取れないので嫌だーで3V管の3HA5とした。これなら2.7V0.45Aなので直列にして抵抗を入れ、6.3Vで点火すれば問題ない。OPTはT-1200を使う。トランス類が全て東栄変成器になった。

 

回路は3A5パラシングルアンプからの流用で、フィラメントDC点火の電源回路が無いのでシンプルになっている。

 

ためしに利得を計算してみたら18.5倍になった。すこしNFBをかけて利得は10倍弱といったところ。