暑くなってきたのでそろそろアンプを消費電力の少ないものに替えようかなと思い、3A5パラシングルアンプを出してきた。ところが聴いてみると音像が右に偏っている。
3A5を左右差し替えてみたが変わらず。アンプを別のにしてみたら音像が中央に定位するようになった。これはアンプ本体の故障だね。
1階実験室で裏蓋を開け各部の電圧を測定してみるが、左右チャンネルに大きな違いは見られない。
アンプ測定治具、オシロ、オーディオアナライザでチェックすると左チャンネルから信号が出力されない?聴いていた時には右に偏っていると思ったんだけど。
調べていくうちにアンプの出力をアンプ測定治具に接続する左チャンネルのコードの極性が逆になっていた。これじゃ出力がショートしてしまう。よくやるミスだ〜。
オシロで初段出力を当たってみると確かに左チャンネルのほうのレベルが低い。初段ゲート入力のレベルは大丈夫だったから、初段アンプ部が変だ。
出力のダンピングファクタを測ってみると右チャンネルのほうが低い。ここではじめて利得を測ってみると左チャンネルが10.5倍くらい、右チャンネルが22倍くらい。このアンプの利得は10.9倍。どうやらおかしいのは左チャンネルでなくて右チャンネルらしいことがわかってきた。
この後、測定器を接続し直しているうちになぜか直ってしまった。左右チャンネルの出力レベルはほぼ同じ、ダンピングファクタも3.55で正常。
音像が右に偏っているので左チャンネルがおかしい、と判断した時点で思い込みが生じたわけだ。電圧チェックの結果がOKだったら最初に利得を調べてみるべきだった。
おそらく右チャンネルのNFBが何らかの原因でかからなくなったのが故障原因と思われる。ハンダ付け不良は見つからなかったが、右チャンネルのNFB経路を再ハンダしておいたのでもう大丈夫だと思う。