おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3HA5シングルアンプ・OPTの接続を変更

実験機の出力は精々100mWという結果になったが、もうすこし増やすことは出来ないだろうか。そこである方法を試してみることにした。OPTの4Ω端子に8Ωをつないで7KΩ:8Ωを14KΩ:8Ωとして使うやりかただ。

 

これをやると何が変化するのかというと、1次インダクタンスは変わらないのにインピーダンスが増えるので低域の低下が早くなること(たぶん)。変圧比が変わるので利得が低下する。DFは増える。

 

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14KΩのロードラインを引いてみた。動作点(赤丸印)の右下が長くなるのがわかる。グリッドに入力されるマイナス側は増えるけど、プラス側は変わらない。動作点を変えなければ盛大に歪みが発生するはず。但しNFBをかけるのでどうなるかわからない。

 

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とりあえずOPTの4ΩをSP端子につなぎ替えて特性を測定してみた。結果を上記に示す。

 

なぜか裸利得は変わらなかった。NFB抵抗は値を変えずにOPTの8Ωから返しているのでNFB量が増えている。総合利得は減少。周波数特性の低域は変わらず、Rchの高域が伸びた? DFは増えた。

 

歪率5%での出力が倍近く増えたのはNFB量が増えたこともあるが意外な収穫だった。

 

とりあえずこの状態で試聴してみた。ソフトフォーカスでマイルドな感じ、ソツがない。音量を上げてみても印象は同じ。どうもNFB量が多すぎるみたいだ。

 

NFBはOPTの4Ωから返すことにし、抵抗の代わりに半固定抵抗を入れ、総合利得を前回と同じ12.8倍に増やして再び試聴する。キレのある音が戻ってきた。利得を10倍から12.8倍の間で変えて落としどころを探ってみることにする。

 

結果は利得を11.9倍にした時の印象が良かった。NFB抵抗値はLchが1.1KΩ、Rchが1.2KΩだった。

 

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変更後の回路図を上記に示す。

 

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再び特性を測定したので上記に示す。出力は前回に比較して50%〜60%増しになった。1KHzでは200mW出ている。低域のレベル低下の周波数はすこし上がったがまあ許せるかな。DFは当然増えている。

 

NFBの抵抗値を変えながらの試聴は当然瞬間切り替えなどやっていない。同じ曲を何度もかけながら繰り返し聴くなんてこともしていない。RadioTunes(ネットラジオ)を流しながら30分くらいかけて印象をつかむ。駄耳だから時間をかけて決めている。ただ音出しした瞬間の印象は重視している。

 

音量を上げて聴いていたらうるさいので下げた。拙宅で聴くには十分な音量が出ている。

 

3A5パラシングルアンプとの比較試聴も行っている。3HA5シングルアンプのほうが低音の量感があってスケール感があるようだ。コレはイケるかもしれない。