おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3HA5シングルアンプ・特性測定

画像

残留ノイズが多い原因の1つに+B電源の残留リプルがあるようなので、電源回路の強化を行った。

 

画像

回路図の赤枠で囲んだところが変更した箇所。C5 47uF→100uF、R9 39KΩ→82KΩ、R10 1MΩ→2.2MΩ、C6 22uF→47uFといったところ。

 

画像

赤矢印が変更したところ。何とか平ラグに収まっている。

 

これで残留ノイズは無帰還でLch 2.8mV→0.7mV、Rch 2.4mV→0.6mVまで低減した。まだ多めだが妥協することにした。

 

NFBをかけることにし、左右チャンネルで裸利得がかなり違うことから抵抗値を変えて合わせ込んだ。Lch 1.3KΩ、Rch 1.5KΩでほぼ左右チャンネルで利得が同じになった。なお、位相補正容量C4は入れていない。

 
画像

詳細な特性を調べてみた。周波数特性は1KHz・0.5V・8Ωで31.3mWと極小出力で取っている。出力は甘めに見ても100mW程度しか出ていない。 NFBは6〜7dBかけている。残留ノイズはNFBをかけることで0.3〜0.4mVまで減少した。DFは3前後と、まあまあの値。

 

画像

周波数特性が左右チャンネルで違うのは、NFB量の差によるもの。20Hz〜20KHzでは殆どレベル低下が起きていない。

 

画像

クロストーク特性。20Hz〜20KHzで-55dB以上を確保している。

 

画像

Lchの歪率特性。直線状になるのは2次歪み主体のためと思われる。各周波数であまり違いが見られない。歪率5%での出力は100mW。

 

画像

Rchの歪率特性。LchよりNFB量が少ないこともあり歪率5%での出力は60mW。

 

特性を調べた限りでは残留ノイズと歪率が悪いけど、まあこんなもんかなあ。

 

画像

特性測定はこのくらいにして聴いてみた。なにこのスケール感や迫力は!まるでシャーシ内にデジタルアンプでも仕込んで鳴らしているみたいだ。ニアフィールドで聴く限り遜色はない。

 

音のバランスが良いからオールマイティーな感じ。聴き比べてみないとわからないけどイイ線いってると思う。でも直熱管の雑味の無さとは違うかな。

 

画像

こんなちっこいタマから音が出ているかと思うと大いに違和感がある。かなり歪んだ音を聴いているはずなのにわからない。オシロで波形を見ると、サイン波の上下が鈍ってくるだけでバッサリ切れないから歪みを感じにくいんだと思う。駄耳に感謝!!