新年早々デカイことを考えてみた。考えるだけならタダなので問題ない(笑)。それは大出力アンプを製作すること(自社比)。
高音質を狙うならやっぱりCSPPかな。そこでラジオ技術2014年5月号に掲載された塩田氏によるKT88 CSPPアンプを取り上げてみよう。部品は市販品のみとする、となっているので好都合だ。
回路図を上記に示す。初段のFETが何かわからないがおそらく2SK170だろう。2段目は12AU7でKT88をドライブしている。ブートストラップがかけられているからドライブ電圧はそう高くないはず。
ASTR-08はSG専用巻線があり、200Vを定電圧化して供給している。固定バイアスのためマイナス電源が必要だが80Vタップを半波整流してCRフィルタを通している。
予算はどれくらい必要なのか見積もってみた(2017年1月現在)。価格は消費税込みで、送料や買い出しにかかる交通費などは含まれていない。シャーシの穴開けは自分で行うものとする。
KT88でなくて6550なのは、ダルマ管が好みに合うためでもちろんKT88で構わない。その他パーツは15,000円としたが、塗装したりオーディオパーツに凝ったりすればもっと高くなるはず。
このアンプの予想重量は13kg〜14kgで1.5mm厚のアルミシャーシではすこしヤワな感じがする。O-44なら2mm厚だから問題ないだろうが820円高くなる。
この113,108円が高いのか安いのか。価格で言えばサンバレーのSV-P1616Dキットの6L6GC仕様が113,400円で一番近いけれど、UL接続で出力は22Wだから格が違う。
ではSV-8800SEキットのKT88バージョン340,480円と比較してみるとちょうど価格が3倍になった。KT88 CSPPアンプの出力は10%歪みで40WだからSV-8800SEの45Wと引けをとらない。音質は好みがあるだろうけど定位感や実在感に関してはKT88 CSPPアンプの圧勝だと思う。