おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6550 CSPPアンプ・初段とドライブ段の実験

6550 CSPPアンプはドライブ段でどの位の電圧が得られるのか気になったので、バラックを組んで実験してみることにした。

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まずは2SK117BLの選別。エアコンを止めて風の影響を受けないようにする。FETを摘むのは竹ピンセットにして温度が下がらないようにした。

 

ちなみにちゃんと揃えても5687WAのμやrpのバラツキで利得が変わるので、厳密に合わせる必要はない。

 

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Id=1.8mAで選別し、58本から4本を選んだ。Vgsはそれぞれ340.0mV/340.0mV/341.0mV/340.8mVとなった。

 

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実験回路を上記に示す。+BはDCDCによる昇圧、初段は24VのACアダプタ2個、-Cはツェナーによる降圧で供給する。5687WAの点火はヒータートランスを使う。カップリングコンデンサを挟んでの47KΩは6550のグリッド抵抗に相当する。

 

手持ちパーツを使ったためアンプ部は設計した回路とすこし異なっているが大差ない。

 

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組んだバラック。グチャグチャだけどとりあえず動作している。

 

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1KHzで差動の片側150Vrmsの波形。10:1プローブを入れてオシロ本体で半分のアッテネート。150*2.83=424.5Vp-pが得られている。設計時の6550に必要なドライブ電圧は340Vp-pだったから十分余裕がある。この時の出力は35W/8Ω。

 

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170Vrmsくらいが最大出力となった。波形にすこしナマリが見える。170*2.83=481.1Vp-pで、ロードラインを引いて求めた522.5Vp-pよりは低いが十分すぎるほど。出力段の利得を1.7として計算すると出力が76Wまではドライブ可能と出たけど本当だろうか?

 

1KHzの片側出力10Vrmsで利得を調べたところ、初段が20.9倍、ドライブ段が14.1倍となった。初段及びドライブ段の利得は20.9*14.1=294.7倍となる。

 

設計では初段19.7倍、ドライブ段16.2倍で19.7*16.2=319.1倍とほぼ一致。実験では初段の利得が高く、ドライブ段の利得が低くなった。ただし5687WAが1本だけの実験なので、実際にはバラツキがあるはず。