おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6550 CSPPアンプ・NFBと特性測定

6550 CSPPアンプはNFBをかけるべく値を探ることにした。どうせなら目標の利得である15倍までドカンとかけてしまおう。結果、NFB抵抗値は1.3KΩとなった。

 

周波数特性を調べてみると60KHz付近で小ピークが認められたので、位相補正容量390pFを入れたらピークをフラットにすることができた。この状態でダミーロードのON/OFF、OFF状態で0.1uFを接続しての方形波観測、0.22uFまで増やしても発振の兆候が見られないので良しとした。

 

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アンプ部の回路図を上記に示す。赤枠で囲った部分が今回の変更箇所。

 

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諸特性を上記に示す。NFB有り、位相補正容量有りで高域の-3dB点は115KHzとなった。5%歪みでの出力は35W〜37Wと目標を達成。NFB量は8.6〜8.7dB。DFは12.5まで増えた。残留ノイズは入力ショートで50μV前後と低い。

 

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Lchの周波数特性。80KHz付近にディップが見られる。これはプレートチョークKL10-05の特性によるものと思われる。100KHzから上は1MHzまで素直に減衰している。

 

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Rchの周波数特性。やはり80KHzにディップが見られるが、こちらのほうが小さい。100KHzから上は1MHzまで素直に減衰している。

 

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クロストーク特性。L→RとR→Lで高域に違いが見られるものの、20Hz〜20KHzでは-85dB以上となっており十分だ。

 

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Lchの歪率特性。5%歪みでの出力は37W。これは先日製作した200Wのダミーロードで測定した。10KHzでの特性悪化は殆どない。110Hzが0.1%より下がらないのは原因不明。DCバランスや6550のバイアスを調整しても変わらなかった。

 

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Rchの歪率特性。5%歪みでの出力は35W。こちらも110Hzが0.13%より下がらない。両チャンネルで同じ傾向であることから回路的な何かが原因と思われる。

 

特性を調べてみた限りでは、気になるのは110Hzの歪率特性くらいか。あと入力オープンでの残留ノイズの値がLch 0.3mVに対しRch 3.0mVと高いこと。RCA入力の撚り線をシールド線に変えてみたけどあまりノイズが低くならなかった。