6550 CSPPアンプはNFBをかけた状態で入力オープンでの残留ノイズがLch 0.3mV、Rch 3mVとRchが一桁高い。このため実使用状態でDACのボリュームを最小にしてもジーッというノイズが聞こえる。
ボリュームレスなので、RCA端子から初段部のゲートに行く配線をシールド線に変更したがあまりノイズは減らなかった。シールド線とゲートの接続をカットしてもノイズは2mV程度でやはり多い。ゲートをGNDに直接ショートすると下がる。
LchとRchで何が違うのだろうか。アンプ部の基板は初段アンプ部と6550のバイアス回路を載せているが、LchとRchでそれぞれを位置的に入れ替えている。
バイアス回路へ行くAC80Vの配線を揺すると残留ノイズが変化する。そこで初段アンプ部と6550のバイアス回路の間にアルミ板を立ててみたところ、3mVあったノイズが2mVに減少した。
LchとRchの違いはバイアス回路のダイオードと初段FETとの距離だ。ダイオードの出すノイズを初段アンプ部が拾っているのではないか。
Rchのダイオードを初段アンプ部から遠ざけるように変更した。
再び組み立てて電源投入すると残留ノイズが数10mVに増えてしまっている。電圧を確認するとRchの片方の6550に150mAくらい流れていることがわかった。タマもほのかに赤熱している。慌てて電源を落とす。
目視で確認したらバイアスのロングピンソケットがずれて挿してあった。6550がノーバイアスになって過電流が流れてしまっていた。抜いてみると非常に熱くなっていた。大丈夫かな?
真空管が冷えるのを待ち、ロングピンソケットをちゃんと差し込んで電源再投入。正常動作を確認。Rchは3mVから0.25mVまで減少。Lchは0.3mVだからRchのほうが低くなった。
電源トランスの80Vタップからの配線がノイズを撒いてしまっている。アンプ部を迂回させるように修正したところ、入力オープンでの残留ノイズはLch 0.15mV、Rch 0.18mVまで減少した。
この時点で実際に確認してみると、入力オープンではスピーカーに耳を近づけてもノイズが聞こえなくなった。むしろ電源トランスの唸りのほうが大きい。まあこれは仕方ないので良しとしよう。
入力オープン時の残留ノイズの経過をまとめてみた。こんな感じで減っていった。