おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6550 CSPPアンプ・110Hzの歪率特性解析その1

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6550 CSPPアンプは110Hz※の歪率が下がらず1KHzや10KHzと異なるカーブを描いている。ドライブ段や出力段のDCバランス調整をしてみても下がらない。何が原因なのだろうか。 ※100Hzではオーディオアナライザの針が大きく振れてしまい測定できないので110Hzとした。

 

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まず無帰還の状態にして歪率特性を測定してみた。結果は全体が持ち上がった形になった。NFBは正常にかかっていることがわかった。

 

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測定周波数で歪率がどのようになっているのか、0.01W/0.1W/1Wの各出力で周波数歪率特性を測定したのを上記に示す。複雑なカーブを描いているが、周波数が低くなるに従い歪率が高くなっていく様子が見て取れる。

 

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出力段か前段なのか原因を切り分けるために6T9 CSPPアンプの前段で6550をドライブしてみた。110Hz/1KHz/10KHzの各周波数で歪率が大きく異なることはなく、原因が前段(初段〜ドライブ段)にあることがわかった。

 

初段はFETの差動アンプなので、周波数で歪率が複雑に変化することは考えにくい。5687WA〜プレートチョークで何かが起きているのではないか。

 

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5687WAのカソード抵抗を3.4KΩから3KΩに減らし、1ユニット当たりの電流を6.2mAから7.1mAに増やしてみた。結果は高域でわずかに違いが見られるものの、同じようなカーブを描いている。

 

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今度は変換ソケットを作って5687WAから12AU7Aに変えてみた。110Hz/1KHz/10KHzの各周波数で歪率がほぼ一致したが全般に高め。

 

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12AU7Aで歪率特性を調べてみた。なんじゃこりゃ!?のカーブになった。いちおう各周波数で特性カーブがほぼ同じものの、何をどうしたらこんなカーブになるの?

 

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別の12AU7Aで試した結果が上記のグラフ。傾向は変わらなかった。

 

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5687WAの代わりに6N6Pでも試してみたが、110Hzのカーブは0.11%より下がらなかった。

 
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結局原因は何かわからなかったが、入力の大小に関わらず110Hzには一定の歪みが発生しているようだ。一体何が?