おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6AH4GTパラシングルアンプ・特性測定

裸利得が67倍と多すぎるので減らしたい。簡単な方法として初段カスコードのソース側に電流帰還をかけてしまおうと思う。具体的にはNFB回路のRinを増やすこと。現状は68Ωになっているのを半固定抵抗に替えて増やしていったら150Ωで利得が44倍程度になったので、これで行くことにした。

 

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とりあえず簡単に特性を再測定。利得が下がった他には特性の相違は見られない。

 

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無帰還での周波数特性を調べてみた。低域寄りで138kHz付近に小ピークが見られる。左右チャンネルの特性がほぼ揃っている。

 

このアンプはNFBをかけることが前提なので、NFB抵抗の代わりにボリュームを入れて値を探ったところ6dBで6.4KΩとなった。あいにく6.2KΩの抵抗が見つからないし、3KΩと3.3KΩの抵抗を直列にして6.3KΩとした。

 

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周波数特性を再測定。Lchのみだが138kHzのピークが出っ張ってきて+0.3dBまで成長。

 

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そこで位相補正容量としてNFB抵抗と並列に47pFを入れてみた。47pFというのは2個揃う手持ちで小容量のコンデンサがそれしかなかったから。47pFの有り無しで周波数特性を比較。138kHzのレスポンスは-0.9dBまで下がった。まあこれでいいんでないかい?

 

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NFB抵抗と位相補正容量の値が決まったので諸特性を測定。高域-3dB点は93〜98kHzまで伸び、利得は21.4倍となった。NFB量は6.2〜6.3dBで、DFは4.5まで増えた。残留ノイズは0.1〜0.13mVまで減少。

 

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現時点での周波数特性。100kHzにディップというのか138kHzにピークというのか、まあ位相特性を調べてみないと何とも言えないけどこんな感じ。NFB量を増やせば高域は伸びるが位相補正容量も増やさなければならないわけで、それがどう音質に影響するか。

 

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クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-68dB以下となった。問題ないと思う。

 

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Lchの歪率特性。2次歪み主体で各周波数が良く揃っている。5%歪みでの出力は100Hzがリミットして3.4Wだが1kHzでは3.8W出ている。

 

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Rchの歪率特性。Lchと同じようなカーブを描いている。5%歪みでの出力は100Hzがリミットして3.5Wだが1kHzでは3.9W出ている。

 

6AH4GTの動作点を見直せばもう少し出力が増えそうだがどうしようかな?オシロで波形を見る限りではカットオフのほうが先に来ているみたい。グリッドをプラスに振るのは直列抵抗を入れたためか伸びが緩やかだ。

 

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現状の回路図を上記に示す。

 

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この状態で3階の自室へ運び上げて試聴する。クリアなサウンドで低音がバンバン出てくるハイファイ調。

 

このまま数日間聴いてみて問題点がないか、改善点を思いついたらやってみようと思う。