おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

なんちゃってフォノイコの製作・その12

なんちゃってフォノイコが完成した。初めての製作だしこんな感じになった。

画像

置き場所の関係で電源部とアンプ部に分かれている。それぞれをマイクケーブルで接続したがDC270Vかかるから自己責任で。ブサイクだがリスニングポイントからは見えないので問題なし。

 
画像

回路図を上記に示す。アンプ部はこちらを参考にした。電源部は手持ちの電源トランスに合わせて変更した。ヒーター電源に普通のブリッジダイオードを使ったら7812の入出力電位差が低すぎてリプルがそのまま出てしまったのでSBDに変更した。残留リプルは0.2mVとなった。

 

画像

Lchの負荷を47kΩとした時のRIAA偏差を上記に示す。±0.2dBに収まっている。前回のはハイ落ちの特性に見えるので出力〜GNDに180KΩをつなぎ、フォノイコにつながる機器の入力インピーダンスが50kΩの時に合成インピーダンスが39kΩとなるようにした。またC7とC8を再選別して約630pFとし、高域をフラットに近づけた。

 

こんな面倒なことをしなくても良いのだが、試聴時に高域が抑えられている感じがしたのでわずかにチューニングを施した。C9を減らせば150Hz〜170Hzあたりが盛り上がるし、増やせば凹むので自分の好みに合わせて変えることが可能。

 

画像

Rchの負荷を47kΩとした時のRIAA偏差を上記に示す。こちらも±0.2dBに収まっている。なんちゃってだからこんなに追い込む必要は無いし、測定誤差や測定環境にもよるし、ただフラットにしてみたかっただけ。

 

残留ノイズを測ろうとしたらオーディオアナライザの針がピクピク振れて安定せず測定不能。AC100Vの変動が出ているのかと思い昇圧DCDCで+Bを供給しても変わらない。400HzのHPFを入れれば60μV程度となるが意味ないよなあ。真空管フリッカーノイズかもしれないが経験不足でわからない。

 

試聴時にボリュームを最大にしてスピーカーに耳を近づけるとシューッというバルブノイズにブーンというハムノイズが乗っている。通常聴く11時くらいの音量ではなんか聞こえるかなという程度なので全く問題ない。なおフォノイコにはMCステップアップトランスHA-T30を直付けしている。カートリッジはオーディオテクニカのAT-32E。

 

利得は114.9倍(41.2dB)で左右チャンネルが揃っている。

 

画像

歪率はうまく測れないので上記で勘弁。出力が10Vでも20Hzで0.2%台だから問題ない。NF型イコライザだから低域になるほど不利だ。

 

画像

電源部は床に直置き。

 

画像

アンプ部はプレーヤー横に置いた。左側がステップアップトランスを介した入力で右側が出力。

 

画像

アンプ部の内部。作例では平ラグパターンを左右で変えてあったのを私は同じにした。

 

画像

電源部の内部。ヒーター電源の7812はケースへ直に取り付けた。

 

試聴結果を書いておくと、製作当初はシステムコンポの音というか、情けない音がしたので音が良くなると念じつつ数日つけっぱなしにしてエージングした。今まではBEHRINGERのPP400を使っていたが、これはハイ上がりの音だと確認した。このフォノイコライザの音をひとことで表すのなら普通に良い音だ。奥行きもよく表現される。

 

松任谷由実の昨晩お会いしましょうを聴くと脳みそに突き刺さるようなサ行、タ行という記憶が残っていたが極めて穏やかに聞こえる。アラン・パーソンズ・プロジェクトのEYE IN THE SKYをLPとSpotifyで聴き比べてみたら、私の駄耳ではLPのスクラッチノイズを除いて特に違う印象は見つけられなかった。録音が同じなら再生系が違っても同じように聞こえるのかなと思ったりする。

 

このフォノイコライザを使えば真空管メインアンプと合わせてアナログシステムのアンプ系がすべて自作で構成できるのが大きい。半導体を使っているがデジタル系は一切入っていない。