前回の拙記事でOPTのHC-203Uをどのように配置するかで低域クロストークの違いが出るのか評価の必要ありと書いた。そこで45シングルアンプにHC-203Uをつないで実験をすることにした。
45シングルアンプはOPTがUSソケットとプラグで接続されておりネジを4本外すだけで分離できる。代わりにHC-203Uを接続する。
上記に回路図を示す。
HC-203Uは3段アンプ用なので2次側を逆につなぐ。2次4Ωタップに8Ωを接続し7KΩ:8Ωとしている。
HC-203Uの接続図。
実験風景。
HC-203Uをこのように並べた時を「縦並び」と呼ぶことにする。
こちらを「横並び」とする。OPTの間隔は約10mm。 HC-203Uの時の利得は14.3倍(23.1dB)となった。OPTの変圧比が5kΩ:8Ωから7kΩ:8Ωになったがあまり変わらない。
縦並びと横並びのクロストーク特性をgifアニメにしてみた。1kHzのレベルを1V・125mWとし、L→RとR→Lのクロストークを測定している。Lch及びRchの残留ノイズに差があるので曲線が重ならない。数100Hzから下の周波数で縦並びより横並びのほうのクロストークが悪化している。高域は配線がのたくっているので無視してほしい。
では横並びの状態でOPTの間隔を10mmから15mmに広げたらどうなるのかL→Rで測定した。15mmのほうが低域のクロストークが良くなっている。しかし縦並びのほうがさらに良い。
R→Lのクロストーク特性。わずかだが間隔を15mmに広げたほうが良いが、縦並びのほうがさらに良い。
横並びでもOPTの間隔を広げれば低域クロストークは改善するが、実際はレイアウトの制約であまり広げられない。縦並びのほうが低域クロストークの影響が少ないので採用する予定。
縦並びと横並びで電源トランスからの漏洩磁束がOPTにどのくらい影響を受けるのか実験した。電源トランスの1次側0-100VにAC100V、OPTの1次側にミリボルトメータをつないた。
電源トランスに通電しない時のミリボルトメータの数値は縦並び・横並びがともに2.2mVだった。通電した時は縦並びが3mV前後、横並びが4mV前後となった。OPTのコアが電源トランスに向くほうが漏洩磁束による影響が少ないかと思われたが、実験では逆になった。こちらも縦並びのほうが良かった。