配線とCRの取り付けの終わったE130シングルアンプ試作機の配線チェックを行う。誤配線などが無いようなので、電圧増幅管と整流管を挿して+Bにダミーロード6.5kΩをつなぎ電源オン。+Bと電圧増幅部の電圧に設計と大差ないことを確認。
ダミーロードを外しE130を挿して電源オン。E130のカソード電圧を監視する。15.2Vくらいになった。E130には29mA流れている。SP端子にDMMをACレンジにして接続しRCA端子に指を触れ、電圧が上昇するのを確認。動作一発OKだ。
測定器とオシロをつないで動作の確認を行う。残留ノイズが1.5mV〜2mV程度あり、ハムバランサを調整してもあまり下がらない。そこで6N2Pを交換したところ、利得と残留ノイズがかなり変化することがわかった。
6N2Pはたくさんあるので手当たり次第に挿し替えて両チャンネルで利得の揃う2本を選別。残留ノイズも0.6〜0.7mV程度まで下がった。
この時点で回路の各部の電圧を測定したら上記になった。RchのE130のフィラメント電圧が4.2Vあったので0.22Ωを直列に入れたらLchと同じになった。
測定しているうちにE130のプレート電流が減ってきて26.3mAになっている。これはエージングによるものなのかエミッション減少によるものなのかわからない。エミッション減少だったら嫌だな。E130は最大プレート損失が12Wのところを9.4W(78%)で使っている。
簡単に諸特性を測定。利得は設計では23倍だったがすこし低め。もっとも6N2Pにかなりバラツキがあるので低めの2本で選別した可能性あり。DFは1.4でOPTを10kΩ:8ΩとしているがE130のrpが高いんだね。
出力は1kHzの5%歪みで3.3W〜3.5Wも出ていた。いくらA2級とはいえ出過ぎじゃないだろうか。フィラメント電力は2.6Wで効率が高いとでも言うのか。
無帰還での周波数特性。かまぼこ型で40kHz〜45kHzに小さなディップあり。これはOPTのOPT-S14の特性によるもの。NFBを6dB程度かけたらかまぼこがもっとフラットになるだろう。
ハムバランサを回してもあまり残留ノイズが変化しないことからフィラメント電源の残留リプルが出ている?CRフィルタを1段追加したらノイズが減るかもしれない。6N2Pのヒーターハムが出ている(ヒーターバイアスをかけているけど)のなら変わらないと思う。