手持ちのMCカートリッジにオーディオテクニカのAT-32EとAT-33Eがあり、AT-32Eをメインに使っている。
AT-33Eは何か調子が良くないようで使っていない。気の所為かもしれない。 AT-33Eの何が悪いのか。それにはテストレコードを入手してチェックするしかないだろう。2個のカートリッジを比較すれば何かわかるかもしれない。
左がAT-33Eで右がAT-32E。レコードプレーヤーのKENWOOD KP-880DIIはストレートアームで、ヘッドシェルに角度がついた特殊なもの。
テストレコードはEPの中古を入手した。カートリッジの状態が判れば良いのでサイン波と周波数特性測定用にスイープ波形が入っているものが欲しかった。古いレコードでノイズだらけだったので水洗いした。
Windows7のPCとWaveSpectraで波形を表示する。USBオーディオインターフェースにSE-U33GX、フォノイコライザは自作の真空管式とSE-U33GX内蔵のものを試してみた。昇圧トランスはSONY HA-T30。
AT-32Eで20Hz〜17kHzをスイープして周波数特性を表示させた。赤はLchで青はRch。上記は自作の真空管式のフォノイコライザを使用。SE-U33GXでも試してみたが特性は同じだった。
こちらはAT-33E。どちらも同じような特性で低域のレベル差まで一緒。高域に向かって落ち込んでいるのはレコード自体がそうなのか、インピーダンス・マッチングなど測定系がそうなのかわからない。カートリッジの高域が2個とも落ちているのか、それともレコード自体がそうなっているのか。
AT-32EのLchの1kHz歪率。ノイズが多くてTHD+Nが悪くなってしまう。変動する一瞬を切り取っただけなので非常に不安定。
AT-32EのRchの1kHz歪率。
AT-33EのLchの1kHz歪率。AT-32Eとあまり変わらない。
AT-33EのRchの1kHz歪率。
歪率測定は何を評価しているのかよくわからないけれど、少なくとも2個のカートリッジが同じ程度であることがわかった。
もっと正確に測定するには日本オーディオ協会のオーディオチェックレコード AD-1 を入手するしかあるまい。たった2個を評価するのに5,000円弱のお金を出すのは今回の目的に合わないので見送ることにした。
AT-33Eを使いレコードとCDで同じ音源を比較して聴いた感じはどちらも同じようなので自分的には問題ないと判断する。
カートリッジって使わないでずっと置いておくのが良くないらしい。入手してから35年以上は経っているし、それなりに使えるのが幸運と思ったほうが良いかもしれない。