おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

E130シングルアンプ・完成

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E130シングルアンプが完成した。E130はフランスのSFR製でテレフンケンRS242の類似球となっている。

 

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E130は直熱3極管で送信機に使用されたらしい。フィラメントは4V0.65A、Ep max=400V、Pp max=12W、μ=18となっている。動作例ではEp=350V、Ip=29mA、Eg=-10V、rp=4kΩで負荷インピーダンス8〜12kΩ。ソケットはUF4P。

 

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回路図を上記に示す。初段は6N2PのSRPPで、E130を6N1P-VIによるカソードチョーク直結ドライブとした。動作はA2級。Egが浅くグリッドをプラスまでドライブしないと出力が取り出せない。電源は+Bの整流を6AX5GTで行いヒーター電源を電圧増幅管と共通にしている。FETリプルフィルタは+B電源の低インピーダンス化のために採用。

 

試作機での調整中にプレート電流がだんだん減少したため、動作が軽くなるように変更した。プレート損失は8.2Wで最大プレート損失の69%で動作させている。

 

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諸特性を上記に示す。低域はE140のrpが高いためかダラ下がり。歪率は110Hzがリミットして2.4〜2.5Wだが1kHzでは3.3〜3.5W出ている。オーバーオールNFBを4.2dBと浅くかけてDFは2.6〜2.7。残留ノイズは入力ショートで0.2〜0.3mVと低い。詳細は特性はこちら

 

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シャーシと裏蓋は自分で穴開けした。シャーシは(株)奥澤のアルミシャーシO-9で、W350mm×D200mm×H60mmで1.2mm厚。これをダークグレーマイカメタリックで塗装。

 

いつものようにいろんな角度からブツ撮りをしてみた。

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E130は入手した2本のプレートの向きや高さが違うため、ソケットの向きや沈ませ方を変えて同様に見えるようにしてある。

 

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電源トランスとOPTや真空管の間が空いているのは元々そこに整流管を配置しようと考えた名残り。シャーシを詰めると内部にあるカソードチョークと電源トランスが近づいてしまうので試作機のままとした。

 

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シャーシサイドにはアクリルパネルを接着剤で貼り付けてシャーシの合わせ目を隠している。

 

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反対側から見たところ。

 

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トランスケースの中にはアンディクス・オーディオのOPT-S14が入っている。トランスケースはW80mm×D67mm×H90mmで1mmの鋼板製。

 

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当初使おうとした6BY5GAはヒーターが明るいので電源トランスの後ろ側へ配置した。後に6AX5GTへ変更。

 

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シャーシ内部。Lchのカソードチョークは残留ノイズが低くなる場所を見つけて固定した。

 

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反対側から見たところ。

 

駄耳の私による試聴では、出てきた音は女性ボーカルに艶があって良いなと思った。でも試聴を続けていくとクールでシャープな音色であることがわかってきた。いかにも送信管みたいな音なのだが、浸透力があるといった感じではない。 そこで6N1Pを6N1P-EVに挿し替えてみたら音色がクリアになったような感じ。

 

そこで更に6N1P-VIに挿し替えたらやはり音色が変化した。曲調がよくわかる。初めてE130の良いところが引き出されたのではないかと思った。カソードフォロアだから利得は1以下で音色は変わらないという理解だったのだが見事に覆された。

 

私より耳の良い!?妻による試聴結果。

・さわやかで伸びがあっていいね

・中音は谷山さんの音域が出てた

・低音はひかえめ

・欲を言えばもっと低音が出ても良いかな

・高音はうるさくなくてちょうど良い

・音の広がりはとても良い

・女性ボーカルに向いている くっきりしている

・デザイン的にはまとまっている

真空管(ナス)と2個のトランスの高さが合っている

・前の3本(MT管)の光り具合がかわいい

・落ち着いた色合い

 

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