11年ぶりに42シングルアンプ1号機を引っ張り出してきた。OPTをイチカワトランスのITS-10WからWELCOMEのT-4646Sへ換装しようと思う。とりあえず現状の特性がどうなっているのか確認してみた。
周波数特性。低域と高域(30kHz)にピークがあるし、さらに高域にはピークとディップが繰り返し出ている。低域のピークはスタガー比実験をした時そのままになっていることがわかった。
回路図の0.33uFが0.022uF、0.68uFが0.047uFになっていた。これではOPTの換装で低域がどう変化するのかわからないのでもとに戻す。
諸特性を調べてみた。以前歪率を調べた時はWaveSpectraを使ったが、今回はオーディオアナライザVP-7721Aで測定した。1kHzでは2.5W〜3.0W出ていることがわかった。これなら問題ない。
ITS-10WをバラックでT-4646Sに変更してみる。T-4646SはNF専用巻線が設けられている。1次インピーダンス14kΩのOPTなので、2次16Ωに8Ωをつないで7kΩ:8Ωとして使う。オーバーオールNFBをSP端子からかけた。NFB抵抗の値は変えなかった。
オーバーオールNFBはNF端子からかける方法もあるので試してみた。
諸特性を上記に示す。KNFは3.5dBかかっている。低域は10Hzで0.5dB〜0.8dBの改善が見られたが、オーバーオールNFB量も増えているので一概には良くなったとはいえない。出力は殆ど同じといって良い。
それぞれの周波数特性。40kHzあたりのピークはSP端子からかけた時に発生しているのかもしれない。また、125kHzにピークがある。
NF端子からNFBをかける方法では、NFB量を増やしても周波数特性がよりフラットになるといった改善はできなかった。
拙い経験から言うと、KNFは効果がある周波数帯域が限られており、低域の改善には殆ど寄与しない。今回の実験でも同様になった。
40kHzのピークはNFB抵抗と並列に位相補正コンデンサを入れれば改善するが、音質に影響するので慎重にやらなければならない。
ITS-10WとT-4646S、周波数特性に関してはどっちもどっちという気がする。OPTの換装はせずにクロストーク特性の改善や残留ノイズの低減に留めるかもしれない。