動作に問題がなさそうなのでNFBをかけることにし、1.8kΩで周波数特性を見る。100kHzあたりに小ピークが見られるため150pFの位相補正容量を入れた。SP端子が無負荷の状態で0.1uFのコンデンサを入れると発振するが、特殊な条件なので無視する。
詳細な特性を測定。周波数特性の高域は152kHzまで伸びた。NFBは6.3dB〜6.4dBとなった。DFは5.7あるので問題ないだろう。残留ノイズは0.09mVまで低下。
クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-66dB以下となった。周波数が低くなるに従い悪くなるのはカソードバイパスコンデンサによる回り込みと思われる。高域クロストークは問題なし。
Lchの歪率特性。6DN7は直線性が良くないので2次歪みが多め。110Hzが他の周波数に比べあまり悪くならないのはパラレルフィードによるものだろう。5%歪みでの出力は2.3W。
Rchの歪率特性。Lchと同じカーブを描いている。5%歪みでの出力は2.4W。
特性を調べた限りにおいては問題なかった。
3階自室にて試聴する。最初のうちはあまり特徴のない音だった。エージングが進むと打楽器がリアルだし曲によって表情を変える。低音にボリュームがあってまるでプッシュプルアンプのよう。爆音にしても低音が出るし、サチる一歩手前のバカでかい音で鳴らせる。これがパラレルフィードの音なのか。傍熱管シングルの中ではかなりいい線を行っているんじゃないかな。