裸利得が66倍と多いため、2SK117BLのソースに入っているR3とR4を外して電流帰還をかけてみた。結果は66倍から46倍まで減った。これくらいで良しとしよう。
ところが500Ωの半固定だけだと調整がクリティカルで、しかも半固定抵抗の値のバラツキで左右チャンネルの利得に差が出てしまった。そのため半固定抵抗を1kΩとし、R3とR4を510Ωに変更した。半固定抵抗とR3及びR4は選別した。
NFBをかけることにし、大体15倍程度が使いやすいかなあということでNFB抵抗にボリュームを接続して値を探ったところ、1.2kΩ程度になったのでこの値に決定。周波数特性の60kHz付近にピークが出たため470pFの位相補正容量を入れたところフラットになった。SP端子にコンデンサを接続し、ダミーロードのオンオフで発振しないのを確認。
アンプ部の平ラグを外して1kΩ半固定、510Ω 2個、仮付けしたNFBのCRを取り付け直した。
詳細な諸特性を測定。NFB量は9.9dBとなった。残留ノイズは60〜70μVまで減少。DFは10まで増えた。
オーバーオールNFB無しでの周波数特性。80kHzにある小さなディップはプレートチョークドライブによるもの。
クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-87dB以下となっている。
Lchの歪率特性。各周波数でカーブがよく揃っている。7Wあたりで歪率が一旦低くなっているが、たまたま歪率の値が低くなるように歪んだだけで、実際の歪みは悪化している。1kHzでの5%歪みでの出力は15.7Wだった。
Rchの歪率特性。すこしバラけているが6P3Sを選別すれば違ってくると思われる。1kHzでの5%歪みでの出力は15.4Wだった。
特性を測定したうえで問題となる点は無かった。すこし手直ししただけで良い子になってしまい、手を加えるところが無くなった。
配線をインシュロックタイで束ねた。手持ちのが無くなってしまったのでこれで良しとした。
3階の自室で試聴。10dBのNFBでもCSPPアンプの音の良さは失われない。6DJ8系とプレートチョークによるドライブは「躍動感」にあふれているのだろう、ゴキゲンな音が出ている。