おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

47シングルアンプ・完成

47x2.jpg 事の起こりは42シングルアンプ2号機に47を挿してみようと思ったことに遡る。42は6.3Vの傍熱管で47は2.5Vの直熱管だからヒータートランスで点火した。聴いた印象は清楚な音でニュートラルな感じだった。せっかく入手したタマだし、アンプとして組んでみようと思った。

 

PMC-100M_kai.jpg 47のフィラメントを点火するには電源トランスに2.5V1.5A以上のタップが必要。ところが市販の電源トランスはPMC-150MやPMC-170Mといった容量が大きいものしか見つからない。そこでPMC-100Mの0-5V-6.3V2Aのタップを0-2.5V-6.3V2Aに変更した電源トランスをゼネラルトランスに特注した。

 

47_single_schematic3.gif 回路はパラレルフィードなどを検討したが、結局アンディクス・オーディオのOPT-S14を1次5kΩで使ったオーソドックスな回路に決定。電圧増幅段は半導体で構成し、FET-Trのカスコードをエミッタフォロアで47の第一グリッドを直結ドライブすることにした。

 

47_single_characteristic6.gif 諸特性を上記に示す。NFBは5.9dBかけている。駄耳の私ではNFB量を振っても音色の違いがわからない。ただ無帰還ではダンピングファクタが1.3〜1.4しかなく実用性に乏しい。出力は1kHzで2.7W〜2.8Wとなった。47は3結にしているが、標準接続ではGEのデータシートが歪率6%で2.7Wとなっており変わらない。詳細な特性はこちら

 

47_single_layout_design1.gif レイアウト検討結果を上記に示す。今回はシンメトリー配置とし、電源トランスを前進させて重量バランスを改善している。アルミシャーシは(株)奥澤のO-45、W300×D170×H50で1.5mm厚のものを使った。

 

47_single_painting10.jpg シャーシ加工が済んで塗装が完了したところ。塗色はいつものワンパターンでダークグレーマイカメタリックとした。

 

今回もいろんな角度からブツ撮りをしたので掲載する。 47_single_outside10.jpg 47_single_outside11.jpg 47は自作のソケットプレートで15mm落とし込んでいる。ロッカースイッチはいつもより中央寄りで、これはソケットプレートを避けるため。わざとシンメトリーにしていない。

 

47_single_outside12.jpg 47_single_outside13.jpg 赤熱するフィラメント。あまり明るく見えない。

 

47_single_outside14.jpg 47_single_outside15.jpg

サイドはシャーシの合わせ目を見えないようにするためアクリル板を貼り付けている。はざいやに加工をお願いした。

 

47_single_outside16.jpg 47_single_outside17.jpg 47_single_outside18.jpg シャーシには底蓋を取り付けている。これはゴム足を固定するのと、動作中に持ち上げてうっかり感電するのを防止するため。シャーシとは8箇所のネジで止めているが、この位置決めが難しい。

 

47_single_inside9.jpg シャーシ内部。平ラグを3個使用し、それぞれ電源部とアンプ部を載せている。シンメトリー配置にするとRCA入力からの信号線が電源トランスの近くを通るので、シールド線を使用しアンプ部のGNDを緩く巻きつけている。

 

47_single_outside19.jpg 駄耳の私による試聴結果は、42に対し47は全く異なり清楚な音色といえる。いわばミネラルウォーターみたいな感じで透明感にあふれ瑞々しい。意外にも低音がよく出るので小音量でもスケール感がある。クロストーク特性は20Hz〜20kHzで-71dB以下となっており高域での悪化が見られない。そのためか音場表現に優れているように思う。