とりあえず問題なさそうなのでNFBをかけてみることにし、大体6dBということで抵抗値を探ったところ1.8kΩになった。この状態でSP端子のダミーロードをオフにし、1kHzの方形波をオシロで観察しながら0.047μFや0.1μFのコンデンサを接続したところ発振した。SP端子にゾベル素子をつないだら収まったのでOKとした。
回路図を上記に示す。NFB抵抗R10と並列に位相補正容量C3は入れていない。
諸特性を測定。左右チャンネルの高域-3dB周波数に差があるのは50kHz付近にある小さなディップのせい。出力は1kHzで2.7W〜2.8W出ている。DFは3.6で必要十分といったところ。残留ノイズは0.3mV程度に低下した。
周波数特性。20Hz〜20kHzでは-0.5dBという特性になった。
クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-71dB以下となっている。まるで残留ノイズを測っているようだ。測定ミスかと思ってオシレータとミリボルトメータで測っていたのをオーディオアナライザに替えてみたが同様だった。高域は飛びつきでクロストークが悪化するものだがそれが見られない。
Lchの歪率特性。各周波数で揃っており低域の110Hzでの悪化が見られない。1kHzにおける歪率5%の出力は2.7Wとなった。
Rchの歪率特性。各周波数で揃っており低域の110Hzでの悪化が見られない。1kHzにおける歪率5%の出力は2.8Wとなった。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF〜0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振の兆候は見られず安定していた。
特性を測定した限りにおいては特に問題はなかった。
3階の自室で試聴してみた。ところが時おり小さくプチッ、プチッという音がする。高圧回路のリークかと思って不安になり、点検するがわからない。どこから音がしているんだろうと耳を近づけるとしなくなる(笑)。なんだろうね?
フト、アンプの前縁を持ち上げてみるとプチッという音がする。もしかしてフロントパネルを保護している紙が影響しているんじゃないのかな? 裏蓋を閉める時に保護用の紙を挟み込んでいたのを外に出してみた。そうしたら音が止んだみたい。
たぶんシャーシが熱膨張するが裏蓋はあまりそうならないのを、紙を挟み込んでいるからズレる時に鳴っていたのだろうと思う。 高圧回路のリークだったらジジジとかジリジリとか小さい音がするんじゃないのかな。取り越し苦労だったのかもしれない。