YAMAHA FS830をレフティにコンバージョンしてもらった。お願いしてから1ヶ月半かかった。FS830はヤフオクやメルカリで探しても見つからなかったので新品を調達した。コロナ禍のためか品薄で、入荷するそばからどんどん売れていってしまう。まあ新品でも判を押したように 39,270円となっており低価格の部類に属するわけだけど。
FS830はトップがスプルース単板、サイド・バックがローズウッド(合板)、指板・ブリッジがローズウッドとなっている。形状はフォークタイプで、弦長は634mm、ナット幅は43mm、胴厚は90-110mm。コンパクトで薄胴なため抱えやすい。一般的に弦長は650mmのものが多く、弦の張力が強いのとフレット間隔が開くため630mmのものに比べて弾きにくい反面、伸びやかな音色になる。
なぜこれをレフティコンバージョンしたのかというと、レフティでフォークタイプ、弦長630mm、サイド・バックがローズウッドのものは皆無で、唯一K.YairiのYF-00028B/LHくらい。私はアコギを弾き語りの道具として使いたいので、傷つけたりしても気にならない低価格のものが欲しかった。
レフティコンバージョンはただ弦を張り替えただけではダメで、ナットを変更(溝の幅が違う)、サドルをレフティ用に変更、ブリッジピンの位置を変更しなければならない。ピックガードもレフティ用にする必要がある。細かいところではブレイシング(トップ裏側の補強)まで変更しなければならないが、そうなると特注になってしまう。
サイド・バックがローズウッドのものはサスティーンが長く輪郭がはっきりした堅めの音質で、自分の好みに合っていると思う。
ペグは長く使ってみないとわからないが、チューニングしやすい印象。
ナットは別個体から切り出したか新たに作成したのか忘れてしまった。滑りを良くするため溝にシリコングリスを塗っている。しばらくすると動きが鈍くなってピキピキいうので塗り直す必要がある。ナット部での1弦〜6弦間は36mmだった。ナットを変更しているので本来のFS830の間隔が同じであるかどうかはわからない。
ネックは半月形でちょうどよい印象。ヤイリのように角を丸めた三角形ではないし、昔のFG-120Fのようにカマボコ形で厚くない。マット仕上げで、手の汗でベタつくことがない。 レフティコンバージョンしたのでサイドのポジションマークがない。5フレット目だけシールで目印を付けようかな?
ボディの厚みは90-110mmで肘のところが110mmある。Taylorのように肘が当たるところの角が落としてあると嬉しいのだが。
バックはローズウッド。
ボディの最大幅は380mmで000(トリプルオー)サイズ。私はフィンガーピッキングでピックを使わないので、ピックガードを除去し新たにレフティ用に貼り付けることは避けた。このほうが自分の好みに合っている。
指板のポジションマークが小さくてわかりにくい。初心者も使うのだから大きめにはっきり表示してほしい。シールを貼ると掃除で剥がれちゃうんだよね。
サウンドホール中央部の弦間ピッチは9.3mmで、YAMAHAの特徴として狭め。最近は広げたものも出てきている。
ブリッジはサドル溝とブリッジピン穴を埋めて新たに開け直してある。塗装してあるので本来のローズウッドとは色が違うのがわかるかな?サドルは新規に作成したとのこと。
弦高は12フレットで6弦約2.5mm、1弦1.5mmくらい。弾いていてビビらないのと弾きやすい弦高になっていると思う。弾き始めてから3日経ったがすでに馴染んでいるのがありがたい。どんなギターでも慣れが必要で半年とか時間がかかるものと思っていた。
音色はYAMAHAのコンパウンドゲージFS510に張り替えてきらびやかな印象。サスティーンは良いものの音量は45年物のFG-120Fほどは出ない。胴鳴りは結構あるので、弾き込んで音量や音色の深みが増すのを期待している。