300Bシングルアンプのフィラメント電源にはSBDのRBA-406B(60V4A)を使っている。ピーク順電流は40Aだ。LTspiceでシミュレーションしてみると、整流後のコンデンサにはピークで32.5A流れるという結果が出た。一応規格に収まっているが余裕がない。
最近SBDのD15XBS6(60V15A)を入手した。ピーク順電流は150Aと余裕が十分ある。そこでRBA-406BをD15XBS6に交換することにした。
外したRBA-406B(下)と交換するD15XBS6(上)。 SBDは平ラグと共締めしているので交換が大変だった。しかも300Bシングルアンプは重いので向きを変えるのも大変。苦労して数時間かけて無事交換が完了した。
確認のため整流後の電圧を測ってみるとRBA-406Bでは7VあったのにD15XBS6は6.7Vしかない。300Bのフィラメント電圧は4.7V位と低い。残留ノイズはLch・Rch共に30mVもあり、LDOの3端子レギュレータLD1085の最低入出力電位差(約2V)を確保できないためリプルがそのまま出てしまっている。
しかもプレート電流を測ってみると53mAの設計に対し70mAも流れている。さらに固定バイアスの半固定抵抗を調整しても56mAより下がらない。フィラメント電圧が0.3Vほど低いだけで300Bのバイアスが浅くなり電流が多く流れる?なんか解せない。
300Bシングルアンプには現在エレクトロ・ハーモニクスの300Bを挿しているが、フィラメント定格は5V1.25A(nominal)となっている。PSVANE 300Bは1.5A位流れていたので電流が少ないとLDOの最低入出力電位差も低くなるのか?
D15XBS6のデータシートでの順方向電圧は1.25Aでは0.4Vくらい。RBA-406Bの順方向電圧は同様に0.4Vくらい。データシートで見比べて交換可能と思ったのに、実際はD15XBS6の順方向電圧が高かったということ。逆電圧は両方60Vだからイケると思ったのだがダメだった。一般に順方向電圧は逆電圧と比例関係にある。
わけがわからないが元に戻すしかあるまい…。たまにはこういうこともあるさ。
(追記)
原因判明!SBDからの+−の接続を左右チャンネルで逆にしてしまった!!!3端子レギュレータや電解コンデンサに逆電圧がかかって壊れたにちがいない。うわーショック…。
(追記ここまで)