おんにょの真空管オーディオ

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主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

CV4055シングルアンプ・トランスの配置検討

今回ボンネット付きのシャーシを選んだのは、実験機の配置のまま本番機を製作しようと思ったから。実験機は大きめのシャーシを使っているので、本番機ではトランスの間隔が狭まることになる。


トランスをいろんな配置にして残留ノイズを測定する。電源トランスからOPTへの誘導ハムの影響がどの程度なのか。

 

これは現状の実験機。残留ノイズはLch 0.11mV、Rch 0.13mV。

 

(1) シャーシ上が狭くなるので、電源トランスをOPTに近づけてみた。残留ノイズはLch 0.23mV、Rch 0.31mVに増えた。残留ノイズを0.3mV程度許容すれば、この配置でいける。

 

(2) 電源トランスの向きを変えてみた。Lch 0.19mV、Rch0.24mV。残留ノイズはすこし減るものの、あまり変わらない。右下の+B用電源トランスの影響が大きい。

 

(3) 電源トランスを斜めに配置。Lch 0.22mV、Rch 0.25mV。やはり誘導ハムを受けるのは変わりない。

 

(4) 電源トランス2個を寝かせてみた。Lch 0.07mV、Rch 0.09mV。コアの中心軸が直交するので、誘導ハムの影響が減って残留ノイズが低くなった。一般的な電源トランスが伏せ型なのには意味がある。

 

(5) 今度はOPTを寝かせてみた。Lch 0.09mV、Rch 0.10mV。やはりコアの中心軸を直交させると誘導ハムの影響が減る。ただこの方法はOPTが接近することによって低域のクロストークが悪化する。数値でいうと20Hzで4dBくらい悪くなる。

 

(6) +B用の電源トランスだけ寝かせてみた。Lch 0.10mV、Rch 0.10mV。この電源トランスからの誘導ハムが支配的であることがわかった。

今回の実験では6通りの配置を試してみたが、コアの中心軸を直交させることで誘導ハムの影響が少なくなることが確認できた。トランスを寝かせるためにはアングルを使って固定するのが良いと思う。OPTを寝かせると、シャーシの奥行きを考慮するとOPT同士が接近するため、低域のクロストーク悪化が防げない。

これらの配置の中では(6)が良さそうだ。