据え置き型のBluetoothレシーバーを作ったので、それに接続するRCAピンケーブルも自作することにした。
ピンケーブルを自作するメリットには何があるだろうか。それは必要な長さのピンケーブルを作れるということではなかろうか。
私にはピンケーブルの音の善し悪しはわからない。むしろ確実な接触、経年変化が起こりにくく接触が保たれること、ケーブルがしなやかでピンにストレスがかからないことなどが大切だろう。
もちろんケーブルの線間容量やインダクタンス、ケーブルの抵抗なども影響するけれど、むしろ接続する機器の出力・入力インピーダンスがどうなのかが周波数特性に現れることのほうが大きいと思う。
これは高周波対応で金属製完全シールドとなっているRCAプラグ。秋月電子通商で扱っているRP-1020N/W(白) 250円/個とRP-1020N/R(赤) 480円/個。白が1個250円なのに対し赤が1個480円なのは仕入れ時期で価格が変動するからとのこと。価格は2023年7月現在。
分解してみるとこのような構成となっている。同軸構造を保ったままケーブルからプラグへ接続される。
ケーブルはカナレのL-3C2VS。オヤイデや九州電気などで切り売りされている。しなやかでRCAプラグにストレスがかかりにくい。
同軸ケーブルを加工するにはこのような同軸ストリッパーを使うと網線や芯線を傷つけにくい。ケーブルを挟んでくるりと回せば外皮を剥いたり芯線を出すことができる。
製作方法はこちらに詳しく解説されているので、私は少しだけ補足する。
ケーブルを必要な長さにカットする。まず最初に外装後部を2つ逆向きに差し込んでおき、マスキングテープなどで仮固定する。これを忘れると最後にアレッ!ということになる。
ケーブルの外皮は15mm程度剥く。網線を裏返しにした後、芯線を10mm程度出して予備ハンダする。私は左利きなので、ストリッパーを右手に持ち替えないと剥けないので面倒くさい。
シールド保持金具はいったん奥まで差し込んで、内皮とツライチとなる程度まで出しておくと良い。
芯線接触子のハンダ付けは、接触子自体に熱容量があるのでハンダ付け後、しばらく触らないこと。
外装前部と外装後部を締める際には、ピンに油性ペンでマーキングし、ピンが回らないように見ながら前部と後部を締めていくと良い。もしピンが回ってしまうと芯線がねじ切れてしまい、再工作となる。私は後部を回すのにギザ無しのラジオペンチを使った。
最後にテスターでピン同士とGND同士が導通すること、ピンとGND側が導通しないことを確認する。ピン同士の導通が無い場合は、前記の芯線がねじ切れてしまっている。
完成したRCAピンケーブル。結構大変な作業なので、1回に2本のケーブルを作るのがやっとだった。かなり安く作れて後々のトラブルが少ない。