以前から考えていたアンプに、コンパクトロン管を使ったミニアンプがある。なんかこう、ちっちゃくてかわいいアンプなのだけど、真空管が光って存在感のあるもの。但しデザインや仕上げには手を抜かない。
手持ちの6FJ7を確認してみたら7本あった。このうちの2本を使ってシングルアンプを作ろう。以前作ったアンプ(譲渡済み)があるので、本機は2号機とする。
真空管の背が低いからOPTも低いものにしたい。東栄変成器にはT-1200をカバーに入れたT-1200R7Kがある。
回路図を上記に示す。OPTを春日無線変圧器のKA-5730から東栄変成器のT-1200R7Kに変更。チョークコイルは使わず、整流後のコンデンサを220μF350Vの電解コンデンサとした。
諸特性を上記に示す。NFBは6.4dBかけている。NFBの目的はDFを実用レベルに上げることと、使いやすい利得にするためで、特性向上のためではない。出力は1kHzで1.7W~1.9Wとなった。DFはオンオフ法で4.1~4.4。詳細な特性はこちらを参照。
使用機材
オシレータ TEXIO AG-205
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 22H2
本機のレイアウトを上記に示す。オーソドックスな配置で、電源トランスの前に電解コンデンサを置いた。
シャーシは株式会社奥澤に特注したW200mm×D130mm×H40mmで、t1.0mmのアルミ。裏蓋付き。自分で穴開けした後にダークグレーマイカメタリックの塗装を施し磨き仕上げとした。
今回もブツ撮りしたので掲載する。
画像だと大きく見えるが実際はかなり小さい。特性よりデザインを重視した。2本の6FJ7の電圧増幅ユニットを向かい合わせに配置すれば、高域のクロストークが改善する可能性がある。
電源トランスの磁気シールドの溶接跡を後ろ側へ持ってきた。パテ埋めして再塗装することは考えなかった。
シャーシ内部。真空管周りのCRなどを平ラグに乗せたので、ソケットにはカソード抵抗しか取り付けていない。シャーシの四隅に折り返しがあるため、ハンダゴテが入りにくく苦労した。
3階自室で試聴。駄耳の私によるものなので参考程度とする。低音が伸びているせいか、スケール感がある。女性ボーカルの子音が綺麗に響く。美しく歌ってくれないとアンプを製作した意味がない。クロストーク特性はあまり良くないのだが、音場表現に秀でているように感じる。
小さくてもデザインは適度な塊感があり、お線香まで灯って音まで出てくれるんだから十分だ。テレビ球のシングルアンプはつまらない音がする? そんなことはないって。これいいよ!