おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

12B4Aシングルアンプ・完成

きっかけはヤフオクARITO's Audio LabのSE-5K2Wを落札したことだった。このOPTは角型ケース入りの超小型で出力容量2W、1次5kΩ(ULタップ付)、2次4-8-16Ωで最大DC重畳電流は30mA。

その頃ミニオフ会で6AN8Aを4本頂いた。6AN8Aは電圧増幅の5極管と、同じく電圧増幅の3極管が1つの管に封入されている複合管だ。3極管のμ=21。ヒーターは6.3V0.45A。類似管には例えば6U8があるが、ピンコネが異なるため差し替えできない。

6AN8AとSE-5K2Wで真空管アンプを製作してみようと思い立った。OPTの1次インピーダンスは5kΩなので、出力管は3極管として、内部抵抗が低いほうが望ましい。ただプレート損失が大きい出力管だと、OPTの出力容量2Wを超えてしまい、軽く使ってやる必要がある。それにOPTが超小型なので、出力管もそれに見合うMT管が良いと思う。

手持ちのMTの3極管に12B4Aがある。これは内部抵抗が1.03kΩと低く、最大プレート損失は5.5Wとなっている。ヒーターは6.3V0.6Aないし12.6V0.3A。以前12B4AでSRPPアンプを組んだことがある。

 

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12B4Aの特性図に5kΩのロードラインを引いてみた。動作点はEb=167V・Ip=25mAで、低めのプレート電圧がフィットするようだ。プレート損失は4.2Wで、最大プレート損失5.5Wの76%となる。

回路は6AN8Aの5極部で電圧増幅を行い、3極部でカソードフォロア、12B4Aをドライブする。電源トランスは春日無線変圧器のH12-0429を候補としたが、ヒーター電流がわずかに足らないし、受注生産となっていることから、西崎電機に特注することにした。

特注した電源トランス。2次を6.3V1.2A×2、160V120mAとした。

諸特性を上記に示す。1kHzにおける歪率5%での出力は1.3W、高域-3dB点の周波数は170kHzと非常に伸びている。オーバーオールNFBは4.4dB~4.7dBで、元々は6dBかける予定だったのが、電圧増幅段の利得を調整したため少なくなった。

NFBをかけても安定しているからもっとかけてもよいが、私のオーディオシステムではボリュームを上げる必要があることからNFB量を増やすことを避けた。だから特性重視ならもっとかければよいし、位相補正容量をフィッティングする必要があるだろう。

Analog DiscoveryによるNFB有りでの周波数特性。位相補正容量は入れていない。OPTの高域特性は優秀で、素直に落ちている。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-70dB以下。

Lchの歪率特性。電圧増幅段と出力段で歪みの打ち消しを行ったため、NFBが4~5dBでも低い歪率となっている。

Rchの歪率特性。

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(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。

使用機材
オシレータ TEXIO AG-205
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 23H2

 

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レイアウト図。アルミシャーシは株式会社奥澤のO-27で、サイズはW250mm×D150mm×H40mm、t=1.0mm。A5052のアルミは適度な硬さがあり加工しやすい。パーツをゆったり配置したので込み入ったところがない。電源部は平ラグに組んだが、アンプ部は立ラグによる手配線とした。

シャーシと裏蓋の穴加工は自分で行い、シルバーメタリックに塗装した。磨き仕上げだが、この色は傷が目立たない。

今回もブツ撮りをしたので掲載する。

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シャーシはシルバーの塗装だが、いかにも普通な塗色で無難だ。でも自作のスペシャル感が薄れてしまった。

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ツマミはたまたま解体したアンプのを流用したが、ロッカースイッチのネオンランプやヒーターの橙色にマッチして良いと思った。ツマミはLEXだが、丸三電機はツマミから撤退して入手困難になってしまった。

 

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シャーシ内部。+B電源のダイオードとSP端子が接近しているが、ノイズは問題にならなかった。残留ノイズが0.1mVレベルだと影響が出てくるかもしれない。OPTの余った配線はトランスケース内に押し込んであるのでスッキリしている。

 

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カップリングコンデンサ0.33μF450Vは緑色の安価なやつだが、グレードアップしても音色は変わらないんじゃないのかな。

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駄耳の私による試聴結果は、OPTが超小型なもののスケール感があるし、高解像度で低音もよく出る。女性ボーカルの艶のある声は合格。

久しぶりに、私より耳の良い!?妻の試聴結果。
・かわいくて光ってる!
・ひとことで言うと、すっきりしてて聴きやすい
・解像度・再現性がいい
・圧迫感がないから聴いてて心地よい
・中高音が綺麗に出てると思う
・トランスが小さいわりにはしっかり鳴ってくれている