12B4Aシングルアンプでは電圧増幅段と電力増幅段で歪みの打ち消しをしてみようと思う。初段のプレート抵抗を100kΩから半分の50kΩにしたところ(NFB抵抗はそのまま)、波形の上下がほぼ同時にクリップすることがわかった。ただ利得が8.6倍と、想定していた利得よりかなり低くなってしまう。
プレート抵抗を50kΩから150kΩまで振ってみて、1kHzにおける最低歪率がどのようになるのか確かめた。その結果、62kΩから68kΩのあたりで歪率が最も下がることがわかった。結局プレート抵抗は62kΩとした。
回路図に実測の電圧を赤字で記入。
詳細な諸特性を測定。高域-3dB点の周波数は170kHzと変わらなかった。歪率5%での1kHzの出力は1.2Wから1.3Wに増加。これはクリップ波形が変化したことによる。NFB量は6.2dB~6.3dB→4.4dB~4.7dBに減少。利得が低くなったのでNFB量も減った。DFは4.6→3.9~4.0に減った。
Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。ごくわずか100kHz付近が盛り上がっているが、位相補正容量は不要と判断。
Rchの周波数特性。
クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-70dB以下となった。
Lchの歪率特性。バナナみたいなカーブになった。1kHzにおける最低歪率は0.1%。
Rchの歪率特性。Lchに比べて2次歪みが多め。1kHzにおける最低歪率は0.1%。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
NFBをかけても安定しているのでもっと増やすことは可能だが、利得が低くなり私のオーディオシステムではボリュームを上げないといけないので、これで良しとした。
再び3階自室で試聴。無帰還の状態から音色が変わった感じは無い。数日聴いてみて問題点抽出を行う予定。