おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6G6Gシングルアンプ・動作確認~特性測定

配線の完了した6G6Gシングルアンプを、回路図と突き合わせて配線チェックを行う。+B~GNDと+B1~GNDがショートしていないことを確認したら、6G6Gを挿して電源オン、カソード電圧を監視する。なお半固定200Ω//300Ωは110Ωとなるように事前に調整しておいた。これはLTspiceでのシミュレーション値。

カソード電圧が75Vとなるように半固定抵抗を調整、各部の電圧を素早く測って設計値とかけ離れた値でないことを確認。SP端子にDMMをACレンジにして接続、RCA端子に指を触れて電圧が上昇するのを確認。動作一発OKだ。

測定器をつないで特性を調べようとしたら、ファンクションジェネレータAFG-2105が矩形波を出力したままサイン波が出なくなってしまった。OUTPUTをオフにしても出力するし。どうやら故障したようだ。2時間何をやってもダメで、電源オフしてACインレットからケーブルを抜き、30分くらい放っておいたら直ったみたい。さすがMADE IN CHINA。だからヤフオクで安く出品したのかな。

改めて諸特性を測定。利得が多くて50倍もある。電圧増幅段を実験からすこし手直ししただけでこうなのか?他は問題なし。

 

回路図に実測の電圧を赤字で記入した。ほぼ設計どおりの値となった。

利得の件は後回しにしてNFBをかけてみる。NFB抵抗は実験での値と同じ2.2kΩとした。SP端子に0.01μFを接続しダミーロードをオフにしたら発振したので、位相補正容量として控えめに150pFを入れた。

詳細な特性を測定。NFBは7.2dBで利得が22倍となったのでまあOKかな。歪率5%での出力を測定したら1kHzでは0.8W、実験と同じ値が得られた。残留ノイズは0.05mVと低くなった。

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Analog Discoveryによる周波数特性。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-77dB以下となった。

Lchの歪率特性。2次歪みが主体で直線状。各周波数であまり違いがない。

Rchの歪率特性。Lchよりすこし歪みが少ない。

6Z-P1でシングルアンプを作った時がそうだったんだけど、出力0.1Wで歪率1%、歪率カーブは直線状で2次歪み主体、3結でのEp-Ip特性の直線性が悪いのは6G6Gでも同じ。直線性に拘る人は6Z-P1とか6G6Gでシングルアンプを作らないほうが良い。NFB無しではもっと酷いはず。プッシュプルにして2次歪みの打ち消しをするとかなら良いかも。

 

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。

使用機材
ファンクションジェネレータ GW Instek AFG-2105
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 23H2

特性を確認した限りにおいては、特に問題点は見られなかった。