42シングルアンプの製作がほぼFixしたので公開する。と言うほど大げさなものではないけどね。
「ペン音」というのはどんな音色か?というテーマだったけれど、固有の音色はどうも存在しないようだ。真空管スーパーラジオのように、5極管の標準接続でNFB無し、トランス1次側と並列にコンデンサを抱かせるといった回路からくる音色がペン音と言われる所以かもしれない。
今回製作した42シングルアンプの音色は、ジャズピアノのポロンポロンとした感じが少し後退して聞こえる(線が細い)が、民族音楽のギターベースが良く聴き取れるので心地よい、といった特徴がある。但し、今回使用した出力トランスであるイチカワトランスの音色を聞き分けているのかもしれない。拙作EL32パラシングルアンプ(3結)と比較した限り、5極管同士のせいか音色の差は少ないと思う。
まず最初に諸特性。
出力は5%歪みで1.8Wといったところ。10%歪みなら2.8W出るが、歪みが直線的に増えていくからか、音量を上げていっても聴感ではあまり歪んでいるという感じがしない。最終利得は10.2倍。これくらいが小音量派には使いやすいのではなかろうか。DFは2.8。まあこんなもんかといったところ。
周波数特性 20KHz付近に0.8dB程度の盛り上がりがあるが、これは高域のスタガー比不足なのだろうか。100KHz付近のピークは、NFB抵抗と並列に33pFを入れてみたが効果は少なかった。計算間違いかな?
歪率特性
NFB量は6.6dBで少ないためか、出力を上げると歪率が直線的に増えていく。各周波数で歪率が揃っているのは良い。
クロストーク特性
50Hz以下の上昇は、+Bを介しての回り込み。1〜2KHz以上で始まる上昇は何だろうか、原因不明。改善の余地有り。
現状の電圧値を記入した回路図。NFB抵抗は51KΩとした。各カップリングコンでスタガー比を等しくしてみたが、殆ど周波数特性に変わりがない。それもそのはず、1Hzに合わせても測定しようがないのだ。もっとコンデンサの値を減らして50Hzあたりに持ってくれば面白いかもしれない。
ケント紙を使って写真を撮ってみたから眺めてみてね。なんだかカタログ写真のようになってしまった。実物より綺麗に撮れているかも(笑)
最後に撮影風景を公開。必要なのはデジカメ、三脚、ケント紙(A1)、マスキングテープ、ハサミ、以上。
(2009.1.6追記)
使っている三脚は、SLICの500G-7というもので、ヨドバシカメラで3,980円で購入したもの。決して高くないものだから1台いかが?