おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

0-V-2ラジオ・グリッド検波とプレート検波を切り換える

久しぶりにラジオの話題でも。

 

杉本哲編の「初歩のラジオハンドブック」を読んでいたら、プレート検波は再生がなめらかにかからない、と書いてあった。

 

私の0-V-2ラジオはグリッド検波からプレート検波に改造したが、プラグインコイルを短波にするとブブブとモーターボーティングのように発振してしまって再生がかからなくなってしまっていた。

 

プレート検波では感度が低くて短波を受信できないので、事実上中波専用機になっている。これではプラグインコイル式にした意味が無いではないか。

 

そこで、プレート検波とグリッド検波をスイッチで切り換えることにした。回路図は以下に示したとおり。

 

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問題はスイッチをどこに設けるかだ。シャーシに追加の穴開けはしたくない。無いアタマを使って考えた結果、アンテナ端子のところにスイッチを入れることにした。これなら6AU6のそばなので、配線の引き回しも最小限で済むだろう。

 

アンテナ端子はアース端子のところに移動する。アース端子は、もともと未使用なので無くしてしまっても構わない。もし必要になったら、シャーシのどこかに接続すれば良いだろう。

 

先日秋葉原に出かけて、スイッチと抵抗2MΩ、コンデンサ100pFを買ってきた。今日、重い腰を上げて改造に着手する。

 

改造には1時間半くらいかかった。スイッチを取り付ける際にラジオペンチを滑らせて、シャーシを傷つけてしまった。ま、これくらいは仕方がないさ。スプレー塗料を新聞に少量出して、爪楊枝で補修。

 

改造後のシャーシ内は以下のとおり。6AU6のグリッド、カソード配線が少し長くなったが大丈夫だろうか。

 

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早速テストしてみる。グリッド検波にすると、短波で正常に再生がかかるようになった。次に短波放送が正常に受信できることを確認した。

 

中波放送でスイッチを切り換えてみる。グリッド検波では感度が良くなる。音質は、プレート検波のほうが素直だ。グリッド検波では、アナウンサーの音声が聞き取りやすいものの、やはり音楽がかかると歪んでいるのがわかる。また、電波が強すぎると、再生ツマミを左に回しても歪んでしまう。そこでプレート検波に切り換えると感度が落ちるためか、歪んでいる感じは少なくなる。

 

スイッチを設けることで副作用を心配したが、現状では大丈夫のようだ。これなら実用上OKだろう。

 

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初歩のラジオハンドブック」をさらに読むと、「グリッド検波は・・・プレート電圧は、増幅やプレート検波のときにくらべて、ずっとひくく、だいたい、五0ボルトぐらいにして使います。・・・グリッド検波は・・・バイアスがなくて、ちょうど、うまく増幅作用をするような使い方にあるため、プレート電圧をひくくしてやるのです。」と書いてあった。

 

現状では、6AU6のプレート電圧は170V程度かかっているので、グリッド検波の時はもっと電圧を下げるほうが良さそうだ。今回は簡単にスイッチで検波方式を切り換えるようにしたのでプレート電圧は変えられないが、本格的に切り換えるならプレート電圧も変えられるようにしたほうが良いだろう。

 

(2009.5.1追記)

グリッド検波とプレート検波をスイッチで切り換えると、受信周波数が少しずれてしまう。配線による浮遊容量の違いだろうか。まあしょっちゅう切り換えるわけではないし、チューニングし直せば良いのだから大して問題にはならないか。