バラックの5M-HH3アンプが、できた。
シャーシは作り直す前の10EW7差動アンプの残骸だから、加工は平ラグの取り付け穴だけ。5VのACアダプターソケットはシャーシの加工が面倒なので、配線をつないだだけ。
今回も一発で動いた。大して配線は無いけど。動作の確認はオシレータ、ミリボル、オシロをつないで行った。LchだったかRchだったか、ボリュームを最大にすると微弱な発振が見られた。
オシロでのサイン波観測。出力は2Vくらいでクロスオーバー歪みが発生する。歪率を測定したら酷いカーブになりそう。続いて方形波観測。100Hzのザグは仕方ないな。1KHzは派手なリンギング。10KHzは、1KHzと同じような波形。そのうち公開するかもしれない。
48Vの+Bラインは160mAも流れる。ACアダプターの定格は0.1Aだから、完全に定格オーバー。これはちょっとまずい。それに、2SC1815がかなり発熱する。但しエミッター電流は0.1mA程度だから、大丈夫のはず。
簡単な測定結果を下に示す。周波数特性は意外に優秀。残留ノイズはかなり多い。シューだかジューという音質。LM386が出しているのかな? DFは低い。
興味があったので、周波数特性を測ってみた。75KHzで8dBも上昇するという、派手なハイ上がり。60Hz付近にも1.5dB程度の盛り上がりあり。これはトランスの影響か? 利得はLch 105倍、Rch 84倍と、かなり多い。
測定はこれくらいにして、音楽を聴いてみる。低域は50Hz以下で急降下だが、DFが低いためかブンブン出てくる。高域はハイ上がりで鮮烈。まるでラウドネスをONにしたみたいだ。減塩食に慣れている人が、塩辛い魚の干物を食べて目玉が飛び出た、そんな感じ。音色に暖かみは感じられない。
音量は、予想したとおり十分な感じ。試聴に使っているSPはSPENDORのS5eだが、87dBという低い出力音圧レベルでも問題ない。一般家庭の試聴では、という但し書きが付く。
ジャズを聴いたら意外とまともに聞こえる。ピアノの強打音が濁り無く再生されるのはやっぱり意外。ハイ上がりなのは確かだ。意外と雰囲気が良い。意外という文字がくり返されるのは、特性と聴いた感じのギャップか。私の好きな民族音楽のアルバムでは、ハイ上がりが気になって、ボリュームを絞りたくなる。
高域は安定化のために、早めに落としてやったほうが良いかもしれない。また、これでNFBをかけてDF向上、周波数特性のフラット化をやったらきっとつまらない音になってしまうんだろうな。
このまま2〜3日程度試聴して、音色の傾向を探ってみよう。