12B4A全段SRPPアンプの諸特性を測定してみた。これが音を云々するわけではないが、健康診断といったところ。
本番機を作ってから6N2Pをとっかえひっかえしたり、利得を左右で揃えるため左chのNFB抵抗値を下げる小細工をしたりしたので、特性が変わってしまった。その度に測定するのは面倒だが、一応ひと区切りということで掲載する。
左chで周波数特性が広域なのは、NFB抵抗値を2KΩから1.7KΩへ下げたため。利得は左右でほぼ同じとなったが低めになってしまったのは右chの6N2Pのμが低いから。左chのDFが高めなのもNFB量を増やしたことによる。
周波数特性は、215KHz付近の小ピークがあることは試作機と一緒だ。マッチングトランス単体ではこのピークはないので、回路かレイアウトの影響と思われる。
歪率特性は大きく変わっている。これは、出力段12B4A SRPPのカソード抵抗値を上下とも下げてIpを増やしたことによる。2次歪みが増えて歪率が悪化したものの、歪率5%時での出力は増えて2.8Wから3Wになった。聴感上のチューニングでこうなっていったわけで、特性と聴感が一致しない1つの例に挙げられるだろう。
クロストーク特性は、20Hz〜20KHzに渡って-71dBを確保しており全く問題ない。残留雑音が減ったせいで特性は向上している。