おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ミニワッターCIRCLOTRONアンプ・両チャンネル作成完了

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ミニワッターCIRCLOTRONアンプは両チャンネルの作成が完了した。

 

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画像を見るとわかるけれど、配線が多くて、しかもとぐろを巻いている。各平ラグ基板の配置をよく考えないと配線が入り乱れてしまう。電源トランスやOPTの配線は本番機のレイアウトが未定なので短くできない。

 

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両チャンネルの各部電圧を測って記入したのが上の回路図。片チャンネルだけの時より+B3電圧が下がって設計値と同じとなったが、後述するが利得も下がっている。6N6Pのプレート電圧も下がって電流が増加し、設計する動作点に近づいたがまだ電流が少ない。-C電圧も片チャンネルだけの時よりかなり下がってしまったので気になるところ。

 

なお、+B3のリプルフィルタ回路を1段増やす変更を行った。初段カスコードの電源は残留リプルの少ないほうが残留ノイズを低くできることがわかったのと、コンデンサが小型になるので高さを抑えられるから。

 

出力管のDCバランスをOPTのP-P間で調節した。OPTのDC抵抗がそろっているので、これでOKと思う。同一管内の三極管同士のためか、半固定抵抗を大して回さなくてもすぐバランスが取れた。

 

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試作機の諸特性を測ってみた。

 

周波数特性は1Wの出力トランスなので0.5W時のもの。文句なしに広帯域だ。利得は片チャンネルの時よりも+B3電圧が下がったためか26.3倍となった。それでもNFBをかけるには十分。DFはかなり高い。残留雑音は0.28mVだからNFBをかければ、さらに下がることが期待できる。

 

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0.5W時の周波数特性。高域の減衰は素直でピークもディップも見受けられない。左右の特性もよくそろっている。

 

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歪率特性。なだらかなカーブを描いていて全段差動アンプみたいだ。歪率5%時での出力は1.5Wといったところ。各周波数がそろっているのが良い。小さなOPTだが1次インピーダンスが低く、100Hzの悪化がみられない。

 

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クロストーク特性。低域でも殆ど上昇が見られない。残留ノイズにマスクされてしまっている。高域のクロストーク悪化の原因は何であろうか。高インピーダンスの個所に注目して、左右が接近していないかチェックする必要がある。

 

原因の1つはわかっていて、左右のカップリングコンデンサ(黄色いやつ)がくっついていたのを離したらクロストークが減った。原因はまだ他にもあるはず。

 

測定はこれくらいにしてスピーカーをつなぎ試聴に入る。

 

電源をONするとスピーカーからわずかにジーッという音がして真空管が動作状態に入ると消える。出力トランスにスチールの空き缶を被せてみたが変わらず。

 

おそらく電源トランスからの+B1、+B2配線のノイズが影響しているのだろう。これらの配線を撚ることで改善されると思う。

 

電源ON/OFF時に生じる雑音は上記以外に無かった。半導体ドライブで心配していたけれどOKだ。

 

スピーカーに耳を近づけるとごくわずかにブーンとうなっている。100Hzのハムだろう。NFBをかければ減るはずだ。

 

いくつか曲をかけての印象は、ごく普通だということ。ヴォイシングチャートでいえば、クールでもなくウォームでもない、中庸で、なおかつシャープな感じ。拙作6N6Pパラシングルアンプはウォームでソフトな感じだから、ミニワッターCIRCLOTRONアンプとは感じがかなり異なる。

 

試聴CDの特徴がよくわかる。録音の悪いCDは悪いなりに、良い録音は良い。

 

私よりも耳の良い?妻の試聴結果。

・解像度が高い。はっきり聴こえる。

・低い音のもやもやがない。音が澄んでいる。

・音のバランスが良く、まとまりが良い。

・音が前に出てくる。

 

「音が前に出てくる」というのは、裏返せば奥行き感が少ないということでもあり、高域でのクロストーク悪化が影響しているのかもしれない。

 

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我が家の爆音での音量でも音像がくずれるとか音がにごるとか馬脚を露わすということがない。こんなちっぽけなOPTなのにすごいね!(画像右下が今回のOPT)

 

今後の予定はNFBをかけることと、クロストーク悪化の原因を探ること。試聴を続ければ、このアンプの特徴がつかめると思う。カソード抵抗をいじるのはそれからだ。