おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ミニワッターCIRCLOTRONアンプ・本番機完成

震災後数日は何も手につかなかったが、ぼちぼち趣味を再開している。この時期自粛ばかりだが、震災の後遺症が無い限り普通の生活を送ればよいと思っている。 つまらない拙ブログだが、記事を書いてみた。震災で心が荒んでいる今、少しでも気を紛らわすことができれば幸いである。え、できない?まあまあ落ち着いて。 少しずつ進めてきたミニワッターCIRCLOTRONアンプ本番機だが、組み立てはすでに完了している。このアンプで音楽を聴きながら記事を書いている。
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最初の画像がシャーシ内部というのも何だが、こんな感じになっている。平ラグ板4枚がシャーシ内部の大部分を占める。真空管ソケット周りは立ラグを使っているが、とにかく細かすぎてハンダゴテを使うにも細心の注意が必要だ。 ラグ板間に配線が沢山走り回ってくちゃくちゃだが、これでも素直になるように留意した結果なのだ。やはり回路が複雑で難易度が高い。
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↑電源部の平ラグ板を上からみたところ。この平ラグ板の位置ははっきり言ってまずい。裏蓋をつけないで通電中に持ち上げようとすると感電してしまう。手袋をつけて動作チェックをしたから感電はしなかったが、もう少し平ラグ板をシャーシ奥に取り付けるべきだった。
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逆さまにして撮ってみたがどう配線されているのかやはりわかりにくいね。アンプ部基板が電源トランスの横に来てしまっているけど、誘導などの影響はあまり受けてないみたいだ。
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以前作った6N6P直結パラシングルアンプ(左)と並べて撮ってみた。外観上はミニワッターそのもの。茶色の似合わないツマミが付いている。あいにく在庫を切らしてしまい秋葉原まで調達に行きたいが、電車の本数を考えると行動に移せない。
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本番機の特性を上の表に示す。周波数特性は、電源トランスに静電シールドを入れた影響か、高域の-3dB点が試作機より低い周波数となっているが、十分に広帯域だ。利得が試作機に比べ少々低下したのはNFB抵抗に手持ちの1%誤差のものを使って2.4KΩ→2.2KΩに変更したから。 出力は1.7Wと欲張った結果になった。外観上はミニワッターなのだが、実力はワッターだ。チューンしたボーイズレーサーといったところだろうか。 DFは16.7と十分だし、残留ノイズは0.2mVに収まっている。なお、試作機で出ていたが、本番機でも電源オンから真空管がヒートアップするまでにジーノイズが発生する。値は左チャンネルで2.9mV、右チャンネルで1.5mVと高い。拙2A3シングルアンプでも前段の真空管がヒートアップする時にブーンというノイズが出るし、この際気にしないことにした。 消費電力は25.6Wと省電力ではなかろうか。ちなみに真空管のヒーターが消費する電力は9.5W(37%)を占める。
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周波数特性。高域での左右チャンネルの減衰が揃っている。本番機で6N6Pのグリッド配線同士を撚ったら左右チャンネルの高域減衰特性が違ってしまい、配線の長い右チャンネルのグリッド配線を変更してほぼ同一特性となるようにした。
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左チャンネルの歪率特性。弓なりカーブを描いている。歪率5%での出力は1.7Wといったところ。10KHzの極小出力で歪率が悪化しているのは測定系のノイズと思われるが原因はわかっていない。
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右チャンネルの歪率特性。こちらのほうがわずかに歪率が低い。
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クロストーク特性。試作機の結果フィードバックで電源トランスに静電シールドを入れたり、ノイズを発生する配線は撚る、遠ざける、近づく場合は十字で横切るなどの対策をしたら20KHzで-74dBと良好な結果を得た。 今後は、設計を含めた総集編を予定している。CIRCLOTRONの動作原理は割愛するが、どのように設計するのかを私なりに解説するつもり。