6B4Gシングルアンプを作ったばかりなのにもう別のアンプを構想している。じつは次回製作予定の6CY7・SRPPアンプを押しのけて、作りたいアンプが出てきてしまった。
那須好男氏の「必ず作れる真空管アンプ24種の製作集」には6BQ5シングル・ステレオ・パワーアンプの製作が掲載されている。
このアンプ、小さくて真空管が3本、何といっても雰囲気が良いよね!自分もこんなの作ってみたい、と思ったわけ。
でも、このアンプで使われているTANGOのシングル用出力トランス、H-5Sは絶版。現在のISO TANGOにはこれに近いものとしてFE-12Sが販売されているが、こちらは一回り大きい。H-5SはW65×D65×H70、重さは900g、FE-12SはW83×D78×H80 1.6Kg。
M-757というのも販売されているが、こちらはW56×D50×H80、重さは790g。細くて背が高く、雰囲気がかなり異なる。
さらに調べてみると、橋本トランスのH-507SがW66×D66×H85、重さは1.3Kg。大きさはこっちのほうが近いが何しろオネダンが1個16,440円と手が出ない。
形だけ真似るならヤフオクでウェルカム製のトランスケースMというのが販売されていて、サイズはW70×D70×H90。ちょっと背が高いが雰囲気が似ているかなあ?
これだけ書くと「トランスケースを自作すれば?」という声が聞こえてきそうだ。そうなのだ。でも自作トランスケースって、「妥協」の文字がどうしてもついてしまう。まあ、それなりに見栄えがすればいいんでない?
というわけで、以前とある方に頂いた「バタ角」という鉄でできた角材の輪切りがあるのでこれを使おうと思っている。サイズはW60×D60×H75で厚みは2mm。もちろん上にフタをする必要があるが、アルミ板で何とかしよう。
防磁という点では六面を鉄で囲んだほうが良いに決まっているけれど、加工が大変なので妥協する。
とりあえず春日無線で出力トランスOUT-54B-57を買ってきた。バタ角をどうやって固定するかが問題だが、方針変更、単に出力トランスを上からすっぽり被せるだけにした。トランスケースじゃなくてトランスカバーだ。
真空管は6BQ5の代わりに6V6族のロシア管、6P1P-EV(6П1П-ЕВ)というのを入手してある。理由は安かったから。
なぜ安いのかというと、6V6族の6AQ5は7ピンMT管で6P1Pとは互換性が無いし、9ピンMT管でピン互換性のある類似球が見つからないのだ。さらに、最大プレート電圧、最大スクリーングリッド電圧が250V。誰も触手を伸ばさないよね。だから採用の余地があるという(笑)。
本当はヒーター電力の低いビームMT管を探していて、6V6族がヒーター6.3V 0.45Aで省エネだということがわかっていた。でも私はへそ曲がりだから6P1Pという、ロシア管を使うことにしたわけ。
ブロック電解コンデンサも購入してしまった。MT管を使ったアンプだから、このコンデンサは細めの直径25mmのものでなければならない。1個1,520円もしたぞ。
これから本格的に夏が始まる前に、シャーシ加工までは済ませておきたいものだ。