おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ミニワッター・71Aシングルアンプ・NFB有りの諸特性

NFBは基本的に不要、かけても少量で、という主張のWebページをちらっと見てみたけれど、Webページのどこにも特性図は載ってなかった。測定しないで聴感だけでNFBを論じているという感想を持った。

 

私がNFBをかけるのは主に残留ノイズの低減やダンピングファクターの向上、使いやすいゲインに整える、などで、音色のチューニングではない。NFB量で音色が変わるというのは経験したことがない。私が駄耳なせい?

 

閑話休題。71AシングルアンプにNFBをかけてみた。どのくらいかけたら良いかわからなかったが、NFB抵抗の代わりにポテンショメーターを入れて、利得が6倍になるようにした。6倍の根拠は無い。

 

諸特性を測定したので、結果を以下に示す。オーディオは測定器の奴隷ではない、と誰が言ったか、それでも健康診断の結果くらいは把握しておきたいね(意味不明)。

 

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まずはじめに諸特性。周波数特性はNFB無しに比べ高域が2倍以上伸びた。出力は歪率5%で0.45W。いかにもミニワッターだね。NFB量は7.4〜7.5dB。左右不揃いなのは、無帰還時の利得が左右で異なっているため。

 

DFは6以上になった。これなら十分だろう。残留ノイズは0.3mVを切った。スピーカーに耳を近づけてもノイズは聞こえない。

 

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周波数特性。高域は伸びたが低域の伸びはそれほどでもない。直結アンプだと低域寄りになるという感触があるけれど、もっと低域側に寄っていても良い感じ。

 

じつは70KHzあたりの小ピークが-6dB程度になるようにNFB量を調節した。これで安全かというと、たぶん位相特性を見ないとわからないだろう。そこらへんのスキルがないから判断できないわけ。

 

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gifアニメーションでNFB量による周波数特性の違いを示してみた。低域はそれほどでもないが、高域の特性改善がよくわかる。

 

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左chの歪率特性。カーブが曲線なのは、主に2次歪みの打ち消しが起きているからだろう。100Hzの歪率カーブはNFBをかけたら下がったから、NFBが有効に働いていると思われる。歪率5%時の出力は0.45W。10%でも0.5W。出力はもう少しあったほうが良さげだが、静かに鳴らすのなら全く問題ない。

 

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ついでに右chの歪率特性。こちらのほうが左chよりわずかに低歪みだ。

 

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左chの歪率特性をgifアニメーションでNFB量の違いを示してみた。NFB量でカーブがどのように変化するかがわかるね。

 

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クロストーク特性。残留ノイズが減って0.125W出力でも-70dBあたりをキープしている。15Hzと40KHzあたりに盛り上がりが見えているが、それでも-63dB程度に収まっている。

 

さて、この実験機から本番機を作るかどうかだが、71Aが持つ音色のイメージが固まってから考えようと思う。もっと低域が伸びていて欲しい、もう少し出力が欲しい、となるとパラシングルになる可能性が高い。入力容量が倍になるからカソードフォロアの低インピーダンスドライブで、初段も球で、となると大幅な回路変更になる。