おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ミニワッター・71Aシングルアンプ・直結回路

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初段(ドライブ段)と出力段をカップリング・コンデンサ無しで直結にした回路を4つほど書いてみた。それぞれに私が理解している勝手な解釈をつけた。間違いがあればご容赦m(_ _)m。

 

71Aの場合、Ep maxが180Vで自己バイアスの場合Eg=-40.5Vとして、プレートには180+40.5=220.5Vかかることになる。直結にすると、さらにかさ上げ分が加算されることになる。

 

(1)ロフチン・ホワイト直結

 原理を示す回路図なので、オリジナルと同じではない。出力段フィラメントから+B2につながっている抵抗は、電源ON後に初段がまだ動作状態になっていないとき、出力段のグリッドに高電圧がかかるのを防ぐもの。また、出力段カソードから+B1へのコンデンサが省いてある。

 

初段で利得を稼ぐためにrpが高くなり、初段のプレート電流はせいぜい0.5mA〜1mA程度しか流れていない。だから出力段にグリッド電流が流れる領域ではパワードライブできずにへたってしまう。また、初段出力が高インピーダンスのために、出力段グリッドを接続すると容量が増えて高域が早く低下する。

 

(2)初段SRPP直結

 初段をSRPPとして出力インピーダンスを下げ、かつ高利得にした回路。+B2の約半分の電圧が出力段グリッドにかかる。電源ON直後は出力管がすぐ動作状態になるのに対し、初段が動作状態に入らず出力段のグリッドが浮いた状態になる。これを防ぐために出力段グリッドに抵抗が入っている。

 

(3)ドライブ段カソードフォロア直結

 ドライブ段をカソードフォロアで出力段直結とした回路。ドライブ段カソード電圧が出力段グリッドに加算される。通常カソードフォロアのカソードはマイナス電圧を供給するが、GNDとして出力段のかさ上げを行う。ドライブ段の利得が1未満となるので、追加で増幅段が必要で1段分増える。ドライブ段の出力インピーダンスが低く、かつパワードライブ可能。

 

(4)FET&Trカスコード直結

 初段をFETとTrのカスコード接続とし、出力段グリッドを直結とした回路。Trのコレクタ電圧が出力段グリッドに加算される。初段FETのgmとTrのコレクタに接続された抵抗の積が初段の利得となる。FETのgmにもよるが初段で十分な利得を稼ぎ出すことができ、バイアスの深い出力管をドライブ可能。

 

今回は(4)を採用するが、Trのコレクタ電圧にばらつきの出ることが予想されるため、FETのソースに半固定抵抗を入れて調節を行う。これはFETとTrを厳密に選別すれば良いが、手持ちに限りがあるから仕方ないだろう。

 

次回は詳細回路設計を予定。なかなか進まないからこんな感じで時間稼ぎ(笑)。