前回に引き続き、カスコード回路の実験をやっている。カスコード回路の勉強も兼ねているから、もし間違っていたらご容赦。
三極管のグリッド電圧は固定されているので、FETのドレイン電圧はほぼ一定となる。FETは入力信号に従ってバイアス電流の2mAを中心に上下する。三極管+負荷抵抗の電源電圧は+BからFETのVDS(=15V)を引いた値(335V)となり、ロードラインは負荷抵抗の値(100KΩ)となる。
上に示した回路でのロードラインは、12AU7Aの電源電圧350-15=335Vの点から100KΩで引く。動作点はプレート電流が2mAの所とロードラインが重なった点となる。動作点の電圧は140V。
計算上の最大振幅は335-35=300Vp-pまで取れるが、動作点が左に偏っている。ロードラインを立てれば偏りは少なくなるだろう。
そこで負荷抵抗を82KΩに減らして実験してみた。記入してある電圧は実測値。
これをもとに再度ロードラインを引いてみると上記のようになった。動作点の電圧が上がってバランスが取れたかな、という感じ。
前回の実験ではオシロとミリボルを負荷抵抗につないでいた。ところがオシロの入力容量が大きく、1KHzでもかなり出力低下が見られることがわかった。仕方ないのでオシロを接続せずに出力電圧を見ることにした。
計算上の最大振幅は339-40=299Vp-p、ミリボルで測定したところ100Vrmsは出力が出ていたから100*2.83=283Vp-pはクリアしていることになる。
利得は実測330倍。FETのgmを計算してみると330/82K=4.0mS(ジーメンス)となった。
17JZ8 CSPPアンプのドライブ電圧249Vp-pはクリアすることがわかった。ところがカスコード段の+Bである350Vを作るのが難しい。電源トランスPMC-190Mの220V端子から両波整流すると+Bは約286Vと低いし、180V端子から倍電圧整流すると約468Vもの高電圧となってしまう。
やはりブートストラップ方式が電源回路が簡単になるし、ドライブ電圧がクリアできればこのほうがいいかも、って気がする。