おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

EL32シングルアンプ・歪率特性と温度評価

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EL32シングルアンプの出力管に、今度は6V6GTを挿してみた。グリッドバイアスが浅くて、-15Vになった。

 

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これはもしかして、と思って歪率特性を取ってみると、これまでで一番低歪みとなった。5%歪みでの出力は2.1W。やはりそうだ。

 

春日無線のEL32シングルアンプは、EL32の動作点がEb=230V、Ik=29.4mA、Eg=-15V。このあたりにスイートスポットがあるに違いない。

 

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そこで、手持ちのEL32のうちグリッドバイアスの浅いタマで歪率特性を取ってみた。Eg=-15.5V。結果は確かに低歪みにはなるけれど、6V6GTほどの効果は無いようだ。

 

+Bに入っている抵抗の値を増やせばさらなる歪率改善が期待できるが、特性ばかり追い求めても意味無いよなあ。

 

先の6V6GTでいつものように試聴してみた。繊細な音色で、これを好む人が多いのだろうなと思う。ボーカルの子音が綺麗だ。

 

もう少し改修するかもしれないけど、しばらく聴き込んでみよう。本番機のGOをかけるのは、もっと後でも遅くない。

 

次はEL32シングルアンプの温度評価。CDを1枚聴き終わった後で、シャーシを裏返して測定。室温は21℃。

 

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これはシャーシ上の温度を放射温度計で測定したもの。EL32は120℃前後でやはり熱い。ヒーターは高々1.26Wだが、プレート損失が6.7Wもあるからだ。ちなみに最大規格は7.5Wだから、規格の89%で使っていることになる。それでも全体の消費電力は30Wだ。

 

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シャーシ内部における主要部品の温度。EL32のカソード抵抗は直結だから発熱するが、それでも50℃未満。電解コンデンサは40℃前後で、まあこんなもんかなあ、という程度。リップルフィルタFETのヒートシンクは50℃で、蓋をしたら60℃位になるだろうか。室温が30℃に上がってもヒートシンクは70℃くらいだから、まあ大丈夫だろう。