6SL7GTとEL32を入れ替えたり取り替えたりして残留ノイズが低くて利得の揃った組み合わせを探した。 再度、詳細な特性測定を行う。
最初はレイアウト的な要因でLchの残留ノイズが高いのかと思っていたが、6SL7GTを左右入れ替えたら逆にLchが低くなった。
周波数特性は125KHzにディップがあったのを見逃していた。たぶん試作機でも同様だったのだろう。低域も高域も早く減衰するかまぼこ特性だ。特性のフラットネスを追求する人はこういう特性のアンプに興味が無いだろうからスルーするように。
音楽を聴く上ではこんな特性でも問題ない。音楽でなくて音を聞く人はこういう特性のアンプに興味が無いだろうからスルーするように(くどい?)。
クロストーク特性は、左右chがほぼ揃った曲線となった。残留ノイズの値が食い違っていると、平行移動した曲線となってしまう。20Hzから20KHzでは-60dBを確保している。
歪率特性は、1KHzのみ歪み打ち消しが働いている。5%歪みでの出力は1.5Wであるが、1KHzだけなら2W出ている。
Rchの歪率特性は幾分Lchより悪い。これは6SL7GTのユニットばらつきだろう。6SL7GTをもっと入手すれば、低歪みで残留ノイズの少ない特性が得られると思われるが、音に関しては変わらないだろうから無駄な投資はしないつもり。
シャーシは奥澤のO-20T、W300×D150×H60でアルミ弁当箱の板厚は1.0mm。あと10mmシャーシが低かったら格好良くなったんだけどね。100μF400Vの電解コンデンサが平ラグに立てて実装できる高さの関係でこうなった。
ぺなぺなシャーシだから真空管を抜き差しすると少々ヤワだが、置いて使う分には問題ないし裏蓋をつけて少々補強してある。
シャーシ色はチョコレート。真空管のベースの色に合わせてある。シックな感じ。
出力管のEL32とOPTがねじれるような配置になっている。右上のOPTがLchで、右下のがRch。RchのOPTの1次配線がLch初段の近くを通っており、R→Lのクロストークが発生してしまうので、OPTの配線に銅テープを貼ってアースすることで防止している。
ヒューズの左側に見えるトグルスイッチは、出力管のヒーター電圧切り替え用。上だと12.6Vで、下だと6.3Vに対応する。インスタントレタリングを使おうと思ったけど、どうせ自分しか使わないし、わかるだろうと省略した。
シャーシ内部。CRの素子が少ないからすっきりしている。真ん中の銅テープは前述のシールド用。
出力管を12A6GTYに差し替えてみた。こちらのほうがデザイン的に統一が取れている。
さらに出力管を6V6GTに差し替えてみた。6V6GTは動作的に余裕があるから、軽い使い方になる。 6K6GTも機会があったら試してみたい。某有名Webでは6F6族の評判は芳しくないが、そういうことを抜きにして試してみて自分に合うものを探すのも良いと思う。
現状の回路図を示す。R14の1.62Mは1MΩと620KΩを直列にしている。1/2W〜1W程度の酸化金属皮膜抵抗は耐圧が350V前後で、直列にすることで耐圧を稼いでいるつもり。
このアンプの音色は女性ボーカルの声がつややかに聞こえるように回路を決めてある。無色透明なのを好む人はこういうアンプに興味が無いだろうからスルーするように(笑)。
音楽が楽しく聴ける、長時間聴いても疲れないことをモットーにしている。細かい音色の差を聞き分けることが大事な人はこういうアンプに興味が無いだろうからスルーするように(笑笑)。