10EW7シングルアンプが一応完成した。DC-DCミニワッター2号機だ。
動作確認は一発で上手くいった。+Bの確認、ヒーター点灯式といった手順を踏んだせいもある。最初はNECの10EW7の3本でチェックしたが、利得がバラついてどうにもならない。別の手持ちのSILVANIAでやってみたら2本がほぼ一致した。
諸特性を上記に示す。始めにNFBをかけないで周波数特性の高域低下点(-3dB)を確認したら14KHz〜15KHzと全く伸びていなかった。そこで強めの8.2dBのNFBをかけてようやく34KHz〜36KHzという具合になった。
裸利得が設計時の12.5倍に対して13.2〜3倍と多いのは、10EW7をNECからSYLVANIAに替えたため。出力は1.1〜1.2Wと目標を一応達成。なお、1KHzだけを見ると5%歪みで1.5W出ている。
残留ノイズは今回も惨敗。SPで確認するとシューッというノイズがごくわずか出ている。DC-DC周りのノイズは極力抑えたけれど、何が影響しているのかな?
回路図を上記に示す。NFB抵抗R10と並列に位相補正コンデンサC8を追加してある。オシロで方形波観測したらヒゲが出ていた。これは15〜25KHzあたりに周波数特性の盛り上がりがあるため。おそらく初段の高域低下点とOPTのそれが重なってしまったためだろうと思われる。
周波数特性。DC-DCミニワッター1号機の10EM7シングルアンプと比較すると全体に低域寄りの特性だ。
クロストーク特性。今回も20Hz以下で妙な現象が起きている。L2が絡んでいるのかと思い、ショートさせてみたが変わらなかった。DC-DCと、OPTのLとC3によって何かが起きている可能性が高い。
Lchの歪率特性。1KHzだけ低歪みなのは、おそらく歪みの打ち消しが起きているためだろう。
Rchの歪率特性。こちらはあまり歪み打ち消しは起きていない。
最初は位相補正コンデンサを入れないで試聴したのだが、高域がうるさくて落ち着いて聴けたものではなかった。おそらくわずかな高域の盛り上がりがあるためと思われるが、聴いた感じでかなり影響することがわかった。コンデンサを入れたことで落ち着いたように思えるが、DC-DCミニワッター1号機に比べて高域の透明感が劣っているように感じるのは強めの位相補正のせいかもしれない。
真正面から見たところ。上面のカバーがついて洗練された感じ? シルバーのスプレー塗装をしたので下のケースとの一体感が出たようだ。
この角度が一番映えるかな。
横から見ると、ケースの合わせ目が見えてしまっている。いつも見えるわけじゃないし、いいんじゃね?
後面から。プリンタで印刷したラベルシートの文字が少し曲がっているのはご愛嬌。
DC-DCミニワッター1号機にもあるのだが、電源オン後、真空管がヒートアップし始める1秒間位、SPからごくわずかピューッという音がする。昇圧DC-DCが電流によって発振周波数を変えているためと思われるが、動作状態では全く問題ない。