まずは10EM7シングルアンプの外観から。プリンタで印刷したラベルシートを貼り付けた。DC-DC自体がコンパクトなのでこんな姿態の真空管アンプができるんだね。
上面のサイズは140mm×140mmでCDジャケットより少しだけ大きい。ケースの高さは60mmなのだが50mmでも収まるはず。ただそういうケースが見つからなかったのでこのサイズになった。
後面から。SP端子にバナナ端子専用ジャックを使っているので出っ張りが少なくシンプルに見える。
この角度が一番映えるだろうか。
左側から撮影しないとヒーターが灯っている様子が見られない。
ボリュームつまみの浮きは見なかったことに…。
10EM7のアップ。手前が電圧増幅ユニットで後ろが電力増幅ユニット。
さて動作確認だがヒーターの点灯は事前にバラックで確認して大丈夫だった。予定どおり一発動作。電圧もほぼ設計どおり。ただunit2のカソード電圧が予定よりも低めだったのでR5を1.2KΩから1.5KΩに変更。電流も25mAから21mAに減った。
始めに諸特性。SP出力の残留ノイズは2.6〜2.7mVと多めだが、ノイズの周波数が高くて耳では聞こえない。ちなみに+Bに含まれるノイズの量は約45mVとなったが、電源オン後30分ほど放置したら22mVまで低下した。DC-DCのスイッチング周波数は154KHzでノイズは0.8Vp-p。
周波数特性はNFBがかかっていないからカマボコ特性になっている。10EM7 unit2の低rpのおかげか、低域まで伸びている。高域はKA-5730が優秀で200KHzまでピークやディップは見られない。
クロストーク特性。残留ノイズが多めのため-60dBを切れないが、高域でもクロストークの悪化はほとんど見られない。低域で少々悪化が見られるのは電圧増幅部での回り込みか?
歪率特性。2次歪み主体の直線状になっている。1KHzのみ低歪みなのは初段と出力段で歪みの打ち消しが起きているのだろうか。10KHzの小出力でも歪率の悪化が見られないのが特徴。雑音歪率を測っているので、雑音に対して信号そのものの歪みが支配的なのだろうと思う。
このアンプを三土会に持ち込み、デモさせてもらった。「華やかで綺麗な音」という感想を頂いた。
6EM7系のシングルアンプの音を聴くのは初めてなので、果たしてDC-DCがその音質を支配しているのかどうかわからない。
今後+B電源にCRによるフィルタを入れて残留ノイズがどのように変化するか確認してみようと思う。