おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

10EW7シングルアンプ・ちょこっと改造

一応完成した10EW7シングルアンプであったが、気になるところを少し改造してみた。

 

ずっと試聴していてもっと高音に透明感が欲しいと思った。そこで位相補正コンデンサに頼らない方法はないだろうか、というわけである。

 

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変更後の回路図を上記に示す。一番の変更点は初段カスコードの2SK30A-GRを2SK117-BLにしたこと。それに伴いNFB抵抗値を変えた。また、DC24Vラインにフィルムコンデンサを入れることで残留ノイズが減ることがわかったので追加。

 

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改造後の諸特性を示す。裸利得は46倍程度に増えた。こんなに増やすつもりはなかったんだけど。NFBを8.2dBかけて総合利得は18倍。残留ノイズは0.35mV〜0.37mVまで減った。

 

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周波数特性。1KHzの方形波にヒゲが出るが、高域がなだらかに落ちていることがわかったので位相補正コンデンサを入れていない。だから-3dB点での高域は伸びて38KHz〜41KHzとなった。

 

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クロストーク特性。相変わらず20Hz以下がヘンだけど、高域のクロストーク対策をしたのと残留ノイズが減ったおかげで20Hz〜20KHzで-70dBを確保。

 

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Lchの歪率特性。1KHzだけを見るなら歪率5%で1.6W出ている。

 

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Rchの歪率特性。1KHzだけ低歪みになっている。歪率5%での1KHzの出力は1.6W。

 

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改造後のケース内部。といってもあまり変わっていない。右上に見える橙色のコンデンサが追加したC8。

 

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クロストーク対策をした入力のシールド線。Scotchの導電性テープを貼り付けてある。OPTはRchで、Lchの入力に漏れていた。

 

改造後に音色がどう変わったのかというと、女性ボーカルの声に透明感が出たかな、という感じ。声の艶という点では10EM7・DC-DCミニワッター1号機に及ばない。きっと真空管の好みの差ではないか?と駄耳の私は想像するのであった。