作りたいアンプを考えるのは楽しいものである。完成したそれを思い浮かべ、どんな音がするのかなどと想像してみる。計画しているのはいろいろあるけれど、前作がプッシュプルアンプだったから今度はシングルかな。そんなに作ってどうすんじゃー、置き場所にも困るだろ!ってのはさておき。
じつはShuguangのSG-205を2本持っている。むかし買ったものだが、いつかこれでアンプを作ってみたいと思っていた。
SG-205は205Dのレプリカらしい。まるで白熱電球みたいな外観だ。上から覗くとフィラメントやグリッドが見える。規格はEp maxが400V、Pp maxが14Wのはず。フィラメントは4.5V 1.6A。ソケットは一般的なUXが使える。
動作点をEb=380V、Ip=35mA、Eg=-27〜-30Vとして5KΩのロードラインを引いてみた。これはSG-205を購入したお店でそのようにしているということだったのでサルマネする。
アンプの構成をどうしようか。71Aシングルアンプでやった、FET-Trカスコードで出力管グリッドを直結というのはどうだろう? 要するにパワーアップ版というわけ。
で、いきなり詳細な回路図を上に示す。電源トランスはPMC-130Mで、180V-0-180Vをブリッジ整流して500V程度を得る。+Bの電源回路が複雑になってしまった。もっと電圧が低ければ楽なのにね。C5とC8はブロック型の電解コンデンサを使用する。
電圧が高いと抵抗の耐圧も考慮する必要がある。酸化金属皮膜抵抗の多くが350V耐圧なので、例えば回路図中のR5、R12がやばい。もっとも2本直列にすれば解決するが。
SG-205はフィラメントが4.5V1.6A。これを電源トランスから直流点火しようとすると6.3V3Aが2巻線必要となる。今回は秋月のスイッチングACアダプタ5V2Aを用いて点火しようと思う。
フィラメントは冷間時には低抵抗なのでACアダプタの保護回路が働いて起動できない。そこでソフトスタート回路を用いる。R15を経由してプリヒートを行い、1.2秒後にはその抵抗をショートさせる。時定数はR14とC10で決定する。
初段は2SK117で、2SK30Aだと利得が足らないかな、2SK170だと多すぎるというわけで2SK117を採用する。これを2SC2752によるカスコードとする。
信号ショートループのコンデンサC4は、通常のGNDに落とすカソードバイパスにしたほうが聴感上良い場合があるので両方試してみよう。
真空管はSG-205の2本のみ。電球型の外観は他のどんな真空管を持ってきても似合わないような気がする。デザインは71Aシングルアンプでやったように、中央前に電源トランス、中央奥にブロックコンデンサを2個、左右にOPT、左右手前にSG-205という配置を考えている。
トランスケースはSUMTECHのTT0001にOPT-10Sが入ればそれを、もしくはフロービスのW88mm×D84mm×H85mmにしようと思っているが入るかなあ?
なお、これは計画段階なので、回路が変わったりパーツが変更になる可能性大ということをお断りしておく。