奥澤にお願いしたSG-205シングルアンプのシャーシ加工が出来上がらないので、その場しのぎに珍妙な真空管アンプを考えてみた。
5M-HH3は真空管テレビのVHFチューナーに使われたタマだ。
真空管の箱を開けたらデータシートが入っていた。ヒーターは4.7V0.6Aで、カソードが共通になった双三極管である。相互コンダクタンスは7500μモーで、μは38となっている。
ついでに特性図を示す。5M-HH4って!?
東芝と日立のを2本ずつ並べて記念撮影。4本使ってプッシュプルアンプを考えてみる。普通なら前段に2ユニット、出力段に2ユニット使って片チャンネル2本構成にするところだが、出力が寂しいのでパラプッシュにして倍増させようと。
+B電源にはRe ElectronicsのDCDC(試作品)を使う。また、20V3.25AのACアダプタを使う予定。
OPTは春日のKA-8-54Pを使う。
真空管・OPT・DCDCに手持ちのものを使うので、そんなに予算は要らないはず。
初段は2SK30Aの差動として6922プッシュプルアンプのをそのまま使う。-C電源には+Bのリターン電流を少しだけもらう。
出力段を差動とした場合のロードラインを引いてみた。動作点はEb=154V、Ip=8mA、Eg=-2.7V。KA-8-54Pは8KΩppのOPTで、差動の場合は2ユニットが直列となるので4KΩのロードラインとなるが、パラプッシュプルなので1ユニット相当をその倍の8KΩとしてある。
出力を見積もってみると0.5W/ch。パラレルなのにたかだか0.5W。実際はOPTの損失があるのでさらに低くなる。なんてナンセンスなアンプ。これ以上はDCDCの最大電流がリミットしてしまう。製品版のDCDCならもっと出力が増やせるけど。
ついでにDEPPの場合のロードラインを引いてみた。8KΩppのOPTでDEPPではその1/4の2KΩとなるが、パラプッシュプルなので1ユニット相当の4KΩとしてある。動作点はあえて差動プッシュプルと同じで考えた。
出力を見積もってみたら1Wとなった。差動プッシュプルの2倍となるが本当かな? 但しAB級に移行しようとしても+Bの電流がリミットして電圧が下がってしまうので出力は頭打ちとなる。
いきなり詳細な回路図を示す。C1が差動プッシュプルにおける音色のスパイスとなっている。C1を例えば470uFの電解コンデンサに換えればDEPPに変身する。
デザインはありきたりのものではつまらないので、これの4本バージョンにしたらどうかなあ? OPTとDCDCがシャーシ内に格納できれば実現できるはず。
作りたいアンプは他にもいろいろアイデアとして頭にあるので、これもそのうちの1つとして、気が向いたら作ってみようかと思っている。